よく耳にする英語表現でも、少し形が変わるだけで、伝わる気持ちやニュアンスが微妙に変わることがあります。なんとなく意味はわかっても、いざ自分で使おうとすると、その違いに自信がもてない。そんな経験は、みなさんにもあるのではないでしょうか?
今回は、“Thank you!” だけではない、英語のさまざまな「ありがとう」 をご紹介します。

1. “Thank you!” のバリエーション
“Thanks.” は、“Thank you.” より少しくだけた言い方で、日常の会話やメッセージでとてもよく使われます。また、“Thanks a lot.” や “Thank you again.” も、よく使われる感謝の表現です。ただし、“Thanks a lot.” は文脈や言い方によって、少し皮肉っぽく聞こえることもあります。
何か具体的なことについてお礼を言いたいときは、“for” をつけて、あとに内容を続けることができます。
名詞を続けて
“Thank you for the message.”
(メッセージをありがとう。)
動詞の内容を表すときは、動詞 +“-ing” の形にして
“Thank you for inviting me.”
(招待してくれてありがとう。)
と言うことができます。

2. すこし丁寧に感謝の気持ちを表す
“I appreciate it.”(ありがとう/感謝します/助かります)
“appreciate” は、「ありがたく思う・感謝する」という動詞です。「ただ受け取る」のではなく、相手のしてくれたことをきちんと受けとめているような落ち着いたニュアンスがあります。

“I’m grateful.”
“Grateful”は「感謝している」「ありがたく思っている」という意味の形容詞です。「ありがたいと感じている」気持ちを表します。少しあらたまって、気持ちをていねいに伝えたいときに使うことができます。
3. 相手を思うカジュアルな「ありがとう」
“You’re the best.”
とてもフレンドリーで、カジュアルに使う表現です。「あなたって最高」「ほんとうに助かる」という意味になります。
“That means a lot.”
相手の言葉や気づかいが、自分にとってとても大きな意味を持つことを伝える表現です。「すごくうれしい」「心にしみる」というニュアンスがあります。
“You rock.”
カジュアルな表現。「最高」「すごいね」「頼もしいよ」といった気持ちを、軽やかに伝えることができます。
実際の会話やメッセージの中で、ぜひ使ってみてください。

最後に
何かをしてもらったとき、“Thanks!” とすっと言えることもあれば、感謝を伝えそびれたまま、時間だけが過ぎてしまうことってありますね。
アメリカの詩人ジェイン・ケニヨン(1947–1995)は、日々の暮らしの中にある尊さを、飾らない澄んだことばで描きました。うつ病について率直に綴った詩人としても知られています。彼女の代表作のひとつに、“Otherwise” という詩があります。
自分の脚でベッドから起き上がること。犬を連れて林へ行くこと。好きな仕事をすること。大切な人と、ろうそくの灯る食卓を囲むこと。そんな何気ない日常のひとつひとつのあとに、“It might have been otherwise.”(そうでなかったかもしれない。)ということばが、繰り返し出てきます。
そして詩は、こう結ばれます。
“But one day, I know,
it will be otherwise.”(けれど、いつの日か、
そうでなくなることを、私は知っている。)(訳/池上カノ)
出典: The Best Poems of Jane Kenyon. Paperback. Graywolf Press, April 21, 2020.
朝、目を覚ますこと。食事をすること。働くこと。大切な人と時間を共にすること。ふだん当たり前のようにしていることは、「そうでなかったかもしれない」。
当たり前の日常に感謝しきれないまま、時間が過ぎていくこともあるかもしれません。けれど、ときどき立ち止まり、受け取ってきたものに心を向けてみる。その小さな積み重ねが、日々を少しずつあたたかくしてくれるように思います。
次回もお楽しみに!
●執筆/池上カノ

日々の暮らしやアートなどをトピックとして取り上げ、 対話やコンテンツに重点をおく英語学習を提案。『英語教室』主宰。 その他、他言語を通して、それぞれが自分と出会っていく楽しさや喜びを体感できるワークショップやイベントを多数企画。
→The English Schoolホームページ
●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com











