牡蠣(かき)の季節、到来。瑞々しい磯の香り、乳白色の旨味、すべらかな舌ざわり──。冬の海の恵みを、今年も存分に味わいたい。
東京・南阿佐ヶ谷『とんかつ成蔵』のカキフライ

ザクッと剣立ちした衣から磯の香りが炸裂する
「牡蠣の旨味は水分にあるんです」。そう言い切るのは『とんかつ成蔵(なりくら)』の主人・三谷成蔵さん。超低温で揚げる白いとんかつで知られる名店だが、実は広島出身でカキフライにも思い入れが深い。
パン粉は、焦げ付かないようにと糖度を極限まで落とした粗目。ラードは一般的な背脂ではなく、融点が高く冷めにくい腸間膜油を使用。両者とも、とんかつと同じものだ。牡蠣はもちろん広島産で、レアに仕上げるため生食用3Lサイズを使う。
温度にして140℃、ストレスを与えぬよう低温でじっくり揚げたら、5分ほど寝かし、余熱で火を入れて完成。剣山のように立った衣にかぶりつけば、ザクッとした食感の後、衣の存在はスッと消え、一滴も逃すことなく封じ込められた牡蠣のジュースが迸る。余韻には磯の香りのみ、油っぽさは微塵もない。
とんかつ成蔵
東京都杉並区成田東4-33-9
電話:03・6882・5214
営業時間:10時30分〜13時10分(最終注文)、17時30分〜19時30分(最終注文)
定休日:月曜、火曜、金曜
※カキフライはトンカツコース8800円に含まれる。
取材・文/森脇慶子 撮影/鈴木泰介

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