釜炊きで引き出す木綿の風合い、肌触りも着心地もよしの日常着
400年以上の歴史を誇る、大阪府堺市の伝統産業「和晒」。
晒(さらし)とは一般的に、織り上がった木綿生地に付着する油分や綿カス、糊などの不純物を落とす工程をいう。和晒はその工程において、江戸時代と同様に釜で炊き上げるという手法を用いて、木綿本来の風合いを引き出している。
今では日本の和晒による生地の90%以上を市内7軒の工場で製造する。本品を手がけるのは、そのうちの1軒、昭和6年創業の「角野晒染」である。
同社では、巨大な釜に水を流し込みながら木綿生地を炊き上げる。約30時間かけ、じっくりと汚れや不純物を取り除き、洗浄、漂白の工程を重ねる。圧力をかけずに行なうので、繊維が柔らかく仕上がり、ふんわりとした肌触りとなる。
作務衣の生地は、表裏で素材が異なる。表地は凹凸があるふっくらとしたドビー織。裏地は肌なじみがよい上質な和晒ガーゼだ。
「和晒で仕上げた生地は、吸水性や通気性に優れているため、夏でも汗でべたつきにくく、快適な着心地です。また、洗濯するたびに表面に残る毛羽が起毛し、ふんわりとした質感になります」と語るのは、営業の圷正勝さん。
僧侶の作業着として作られた作務衣は動きやすさも魅力。くつろぎのひとときや、近所への外出着にも最適だ。
【今日の逸品】
和晒作務衣 優柔
角野晒染
13,200円(消費税込み)