絵本「11ぴきのねこ」シリーズをはじめ、ほのぼのとしたあたたかい作風で今も人々に親しまれている馬場のぼる(1927-2001)。

馬場のぼる『11ぴきのねことあほうどり』こぐま社 1972年刊
リトグラフ(色校用)
こぐま社蔵

馬場のぼるは青森県三戸町で生まれ、1948年に漫画家としてデビュー。翌年上京してからは、手塚治虫や福井英一と並んで「児童漫画界の三羽ガラス」と称される人気を博しました。やがて大人向け漫画や絵本に進出し、数多くの作品を世に出しました。

馬場のぼる「ブウタン」『幼年ブック』1954年9月号原画
個人蔵 

出身地に近い八戸市美術館で馬場のぼるの全貌を語る展覧会が開かれています。(8月29日まで)

本展の見どころを八戸市美術館の学芸員、田村由衣さんにうかがいました。

「漫画家・馬場のぼるを、さまざまな側面から紹介する展覧会。本展では、絵本や漫画の原画類、50年分のスケッチブック、楽しみのために制作した絵画や立体作品のほか、馬場を取り巻く交友関係も紹介しています。

馬場のぼる スケッチブック 制作年不詳 個人蔵

馬場のぼるは生まれてから上京するまでの約20年間を青森県三戸町で過ごしました。馬場の幼少期や青年期のイラストやノートからは飛び抜けた画力をうかがうことができ、幼い頃から絵を描くことが好きだったことがわかります。「雪遊び」や「えんぶり」などを題材にした、三戸町出身ならではの作品は、青森の地で是非ご覧いただきたい作品のひとつです。       

馬場のぼる《えんぶり》 1936年頃 三戸町蔵
馬場のぼる《動物の行軍》 1936年頃 三戸町蔵

作品からあふれるほのぼのとしたあたたかさとユーモアを感じながら、馬場のぼるの多彩な魅力をまるごとお楽しみください」

心癒される馬場ワールド!! 会場で見て、ふれて、楽しみませんか。

馬場のぼる『ぶどう畑のアオさん』こぐま社 2001年刊
原画 こぐま社蔵 
(C)Noboru Baba

【開催概要】
まるごと馬場のぼる展 描いた つくった 楽しんだ ニャゴ!  
会期:2022年7月2日(土)~8月29日(月)
会場:八戸市美術館
住所:青森県八戸市大字番町10-4
電話:0178・45・8338
公式HP:https://hachinohe-art-museum.jp/
開館時間:10時から19時まで(入場は18時30分まで)
休館日:毎週火曜日
料金:公式HP参照
アクセス:公式HP参照
巡回:刈谷市美術館(2022年9月17日~11月6日)

取材・文/池田充枝

 

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