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【娘のきもち】自己肯定感がない自分を絶対的に必要としてくれたもの。それは親ではなく我が子だった~その1~

取材・文/ふじのあやこ

近いようでどこか遠い、娘と家族との距離感。小さい頃から一緒に過ごす中で、娘たちは親に対してどのような感情を持ち、接していたのか。本連載では娘目線で家族の時間を振り返ってもらい、関係性の変化を探っていきます。

「絶対的に必要としてくれる存在ができた。今まで誰からももらえなかった安心感をもらえている気がします」と語るのは、良美さん(仮名・38歳)。彼女は現在、埼玉県にある実家に身を寄せながら、在宅でオペレーターの仕事をしています。化粧気がないものの、目鼻立ちがはっきりとした美人という第一印象。終始早口で話す中、グラスの水滴が気になるのか常に拭く動作を繰り返したりと、少し落ち着きがない印象を受けました。

躾に厳しい母親、勉強にうるさい父親。褒められた記憶は一切残っていない

良美さんは埼玉県出身で、両親と4歳上に兄のいる4人家族。小さい頃は躾に厳しい母親の怒った顔を覚えていると言います。

「小さい頃に覚えているのは、ご飯の食べ方、靴の脱ぎ方、家事を手伝った時の順番など、すべてにおいて厳しかった母親の姿です。私は最初は左利きだったんです。それを私が薄っすらとしか覚えていないくらい前に矯正で直されました。覚えているのは左で何かを持った時に問答無用で力いっぱい手を叩く母親の怒った顔。今でこそ左利きはそのままにされていると思いますが、私の頃はほとんどの子が矯正されることが多かった。その一般論の影響もあって、母親はそこを逸れることを極端に嫌がる人だったんです」

躾については母親の怖かった印象を繰り返す良美さん。父親についても「厳しかった」と同じ言葉を口にします。

「父親はいいところの学校を卒業しているせいなのか、成績について逐一報告しないといけない義務がありました。中間・期末などのテストの点はもちろん報告しないといけなくて、その度に『そんな成績を取るなんて、お父さんの子じゃない』とまで言われていました。私の成績は中の上くらいで、決して落ちこぼれではありませんでした。でも、兄がとても優秀だったこともあり、比べられていつもひどい言葉を浴びせられていましたね。

テストについて覚えていることは、せこいんですが、先生が使っている赤ペンと同じものを仕入れて、テストの点を何度も書き換えた記憶があります。父親にバレたくない小テストなどは学校からの帰り道の途中で細かく破いて、土に埋めたり、捨てたりしていましたね……」

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