孫の誕生の催促も苦痛ではなかった

千晶さんが義両親が経営するお店で働かなくていいと言われたのは、孫の誕生の催促のためだった。結婚して2年経っていて、夫の地元で暮らして落ち着いたらすぐに妊活を始めようとしていた千晶さんは、その催促も苦痛ではなかったという。

「義母からは『子どもができたらお店で働いてもらうのも悪いから~』というような感じで遠回しに催促されていたぐらいなので。まぁ孫は欲しいよねって、義両親の思いは理解できましたし。それに義母に言われるまでもなく、30歳を迎えていたこともあり、私も子どもが欲しかった。夫の地元での生活が落ち着いたらすぐに妊活を始めるつもりだったんです。

ありがたいことに、妊活をして3か月ほどで妊娠がわかりました。夫は喜びから安定期に入る前に義両親に伝えてしまったことにはちょっとムッとしましたが、義両親もとても喜んでくれたので、それもまぁいっかという感じでした」

妊娠中の義母は甲斐甲斐しく千晶さんの世話だけでなく、息子(千晶さんの夫)の世話までしてくれたという。千晶さんは里帰り出産をせずに夫の地元で出産に臨み、無事女の子を出産する。

「義母があまりに世話を焼いてくれるので、本音を言うと里帰り出産をしたかったのですが、言い出せませんでした。私には上に姉2人がいて、私の両親にはすでに孫がいたので、私の母も全然寂しがってなかったからよかったんですけどね。

義母はちゃんと甘えさせてくれて、夫の地元での子育てについても不安はありませんでした」

ある不用意な一言から、義母が無理になった。【~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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