【家族の絆】「自分のせいで両親は離婚してしまった」母親からの暴言を受け、娘は父親を守ろうとした～その２～

取材・文／ふじのあやこ

一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、家族のこと。過去と今の関係性の変化を当事者に語ってもらう。

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離婚問題の情報提供メディア「ツナグ離婚弁護士」を運営している株式会社Clamppyは、浮気に関するアンケート（実施日：2024年11月11日～2024年11月25日、有効回答数：専業主婦の人、過去に専業主婦の経験がある女性606人、インターネット調査）を実施。アンケートにて「浮気をしてしまった理由」について聞いたところ、１位は「寂しさを感じていた」（24.7%）、２位は「刺激やスリルを求めていた」（12.3%）、３位は「家にずっといることが退屈だった」（11.1%）という結果になった。次いで、「専業主婦をしているときに浮気をしたことがある？」との問いに対して、「ある」と回答したのは18.3%となっている。

今回お話を伺った暁子さん（仮名・44歳）は、小学生のときに母親の意向に反したことで母親から嫌われてしまう。中学生に入ると、母親は暁子さんが帰宅する時間にはいないことがほとんどだったという。【～その１～はこちら】

母の不倫は「私のせい」

母親は父親が帰ってくる時間の少し前に帰宅し、普通に自分以外の３人分の食事を用意して、その後は居間で１人静かにテレビを見ることが多かった。その間の会話は３人のみ。母親以外の３人の会話では気を遣うことはなかったという。

「母親がいると、どうしても会話の内容を意識して当たり障りないことを話すようにしていました。でも、父と兄との３人だと何も気にせず、無言でも平気だった。

母親が３人分の食事だけ作って自分は食べないことは、あっちも私と顔を合わして食事するのが気まずいんだと思っていました。気まずい相手は私だけだと思っていたんです」

その頃には両親の会話もなくなっていたが、そのことに暁子さんは気づかなかったという。両親が離婚することになった後に、両親の関係はずっと前から破綻していたことを知る。

「母親は不倫していたんです。離婚に至った経緯も、相手も、私は知りません。私は離婚するという事実だけを父親から聞いて、母親は帰って来なくなりました。

離婚が決まった後に、私物を引き取りに来ていた母親と、何度か私が学校から帰宅したときに顔を合わす機会がありました。そのときには基本的に言葉を交わすことはなかったのですが、最後に母親は『あんたのせいで家にいづらかった。本当はお父さんと別れたくなかった』と泣きながら私に訴えてきました。私のせいだと、母親は私を睨みながら言ったんです」

暁子さんは母親のその言葉を、誰にも伝えることができなかったという。

「母親が勝手に不倫したくせに、私のせいにするな！　って言われたときは思いました。母親が泣いていたから、ギリギリ言い返したりはしなかったのですが。

怒りが引いた後に思ったのは、私が家族を壊してしまったのかもしれないということでした。私と母親がうまくいっていれば、もっと４人で家族団らんの時間を持てたんじゃないかなって。母の言葉の意味を考えれば考えるほど、私のせいかもしれないという思いが強くなっていきました」

【父が寂しくないように、ただ必死だった。次ページに続きます】