取材・文/ふじのあやこ
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一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、家族のこと。過去と今の関係性の変化を当事者に語ってもらう。
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離婚問題の情報提供メディア「ツナグ離婚弁護士」を運営している株式会社Clamppyは、浮気に関するアンケート(実施日:2024年11月11日~2024年11月25日、有効回答数:専業主婦の人、過去に専業主婦の経験がある女性606人、インターネット調査)を実施。アンケートにて「浮気をしてしまった理由」について聞いたところ、1位は「寂しさを感じていた」(24.7%)、2位は「刺激やスリルを求めていた」(12.3%)、3位は「家にずっといることが退屈だった」(11.1%)という結果になった。次いで、「専業主婦をしているときに浮気をしたことがある?」との問いに対して、「ある」と回答したのは18.3%となっている。
今回お話を伺った暁子さん(仮名・44歳)は、小さい頃に母親から嫌われ、大人になるまでずっと自分が原因で両親が離婚してしまったという思いを抱えていた。
自分の意思を主張したら母親から嫌われるように
暁子さんは両親と4歳上に兄のいる4人家族。小学校の頃の暁子さんは髪の毛が腰の位置までと長く、毎日色々な髪型にアレンジして学校に通っていた。髪が長かったのは母親の意向。母親の好みの服や髪型にすることで、母親から褒めてもらえることが嬉しかったと振り返る。
「レースのついた服や、淡いピンク色の服が多かったです。髪型は当時キョンシー(幽幻道士)の映画に出ていた女の子がとても人気があって、その子の髪型を真似たヘアをしていたことを覚えています。母親は私を着せ替え人形のように毎日時間をかけて作り上げていきました。そのときにはいつも『かわいい、かわいい』と笑顔で声をかけてくれていたので、私は気分よく過ごしていました」
小学校も高学年になると、一輪車や大人用の自転車が周囲で流行った。暁子さんもそれに夢中になり、父親から乗り方を教えてもらううちに、母親より父親と一緒にいる時間が多くなっていった。そのことがきっかけなのか、母親は暁子さんに対して冷たい態度を取るようになったという。
「母親は華奢で色白、運動が苦手だと言い、一輪車や自転車の練習に付き合ってくれなかったんです。だから、父親にお願いしたら、休みの日や仕事終わりに練習に付き合ってくれました。そこからフリフリの服が動きにくいと感じ、ズボンやシンプルなトレーナーなどを好んで着るようになりました。最初の頃は母親はシンプルな服を買ってくれなかったので、兄のお古を着たこともありましたね。
母親は言うことを聞かなくなった私に対して冷たくなり、私も自分の希望をかなえてくれない母親よりも父親に懐くようになったんです」
【祖母に告げ口したことで母親との関係は修復不可能に。次ページに続きます】
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