ホスト依存の次は、フリマアプリ依存

息子の話では、嫁はフリマアプリ依存になっていたのだという。この依存症は、取材していてもよく聞く。売ると購入者に感謝されて、承認欲求が満たされるので、それを得たいがために必要なものまで売ってしまうのだ。

症状としては、「フリマアプリで売れるかどうか」を基準に考え、常に出品する物を探したり、家族や生活に必要なものまで出品してしまう。売れるものがなくなれば、新たに買って出品する。その資金がなければ、窃盗や万引きに手を出すのだという。

「その後、海外から帰国した息子を家に呼んで話したら、息子のバッグもスーツも売られてしまっており、家にモノがないのだと。最初は金目的だったかもしれないけれど、それでは終わらなかったと言っていました」

ホストクラブにハマった嫁は、自分を必要とされると満たされる性格をしている。そのためには手段を惜しまない。フリマアプリで「自分の物を欲しがる人がいる」という状況が楽しいのかもしれない。

「さすがに、息子も“何が何でも離婚する”と帰っていきましたが、その夜、救急外来に運ばれたと知り、私たちは真っ青になって病院へ。ベッドには離婚を拒否する嫁から暴力を振るわれ、熱湯までかけられた息子が横たわっていました。肋骨を骨折しており、全治4か月と。このときに、息子が生きていてよかったと思うと同時に、子供が授からなくて本当に良かったと安堵しました」

息子の嫁、娘の夫により、生活が一転する人は多い。ここ数年でとても多いのは、嫁が奪衣婆のように、息子からなにもかも奪って離婚するケースだ。日々のケンカや行き違いを証拠として録音し、それを担保に法外な慰謝料と養育費を得て離婚に合意させるのだ。夫婦はもともと他人だ。言ってはいけないことや、隠し事をしつつ、結婚生活を続ける。

「まあ、これで離婚できることになったんです。弁護士を立てて嫁には納得してもらいました。ただ、離婚後も家にい続けられたり、息子が襲われる可能性もあるのでマンションは引き払った。そのとき、嫁は新居の費用をよこせと言ったんです。どこまでも図々しい女でしたね」

息子の4年間の結婚生活で、珠子さん夫婦の被害総額は2000万円程度だという。夫は珠子さんに隠していたが、息子にお金を渡していたのだ。その金を嫁は美容整形とホストクラブに使っていた。

「無心された金、弁護士費用、息子の治療費なども含めるとそのくらいですね。息子は“もう結婚はこりごりだ”と語っていました。私たちには、嫁との出会いを友達の紹介と言っていましたが、マッチングアプリだったそうです。もう私たちは満身創痍」

唯一よかったことは、珠子さんが働き始めたこと。働くことは辛いこともあるけれど、楽しいと笑っていた。

取材・文/沢木文
1976年東京都足立区生まれ。大学在学中よりファッション雑誌の編集に携わる。恋愛、結婚、出産などをテーマとした記事を担当。著書に『貧困女子のリアル』 『不倫女子のリアル』(ともに小学館新書)がある。連載に、 教育雑誌『みんなの教育技術』(小学館)、Webサイト『現代ビジネス』(講談社)、『Domani.jp』(小学館)などがある。『女性セブン』(小学館)などに寄稿している。

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