鬼皮と渋皮が一緒に剥ける生栗
日本では縄文時代から食され、栽培も始まったとされる栗。そんな栗を使った身近な献立のひとつに、栗ごはんがある。栗と米を一緒に炊くだけだが、難点は栗の皮剥(かわむ)きが面倒なことだ。
一番外側の硬い鬼皮(おにかわ)を剥(む)いたら、その次は渋皮(しぶかわ)剥き……、と、まことに手間がかかる。
渋皮まで剥いた状態の生栗も販売されているが、割高である。天津甘栗のように鬼皮と渋皮が一緒に剥ける生栗がないものか……と思っていたら、そんな栗があったのだ。
「ぽろたん」は21世紀になって生まれた新品種
「ぽろたん」という品種で、鬼皮に切り込みを入れて、数分程お湯で茹でたり電子レンジで加熱すれば、渋皮まで簡単に剥(は)がれ落ちる。
この「ぽろたん」は21世紀になって生まれた新品種で、ぽろっと皮が剥けて、丹沢という品種が開発に活用されたことから、この名称が付けられたそうだ。
面倒な皮剥きから解放してくれただけでなく、大粒で甘味と香りがあり、味も申し分ない。ちなみに天津甘栗はチュウゴクグリ、「ぽろたん」はニホングリで品種が異なる。
【参考リンク】
※ 「ぽろたん」ってどんなクリ? – 農研機構
文/諸井里見