「起業」することが身近な時代になりました。freee株式会社が、20~69歳の有職者男女900人に対して、「起業」に関するアンケート調査を実施しています。起業への関心は高まるとともに、不安要因も共通してあるようです。早速見ていきましょう。
■起業関心層は30代が最も高く40%超!シニア層も4人に1人が「起業に関心あり!」
「起業への関心度」について質問すると、30代が最も起業意向が強く42.4%の人が「既に起業している、もしくは起業に関心がある(あった)」と回答しています。同様に、20代では39.5%、40代で37.4%の人が起業に関心を示しています。50歳以上のシニア層でみると、4人に1人にあたる28.7%が「起業に関心がある」と回答しています。
次に、現在起業に関心がある人に絞り「具体的にいつぐらいに実現したいですか」と聞くと、シニア層では32.1%が「3年以内に実現したい」と回答しています。これは、20代の22.7%、30代の23.7%、40代の26.3%と年代別でみても最も高い数字となります。ここから、若年層よりもシニア層のほうが、より具体的な起業イメージを持っていることが分かります。このように、高齢化が進む現代においては、シニア起業がより一般的になっていく傾向にあるのかもしれません。
続いて、起業関心層に対して「なぜ起業しようと思いましたか」と聞いたところ、「自由に仕事がしたかった」(年代合計:46.0%)が全年代において最も多く、次点で「収入を増やしたかった」(年代合計:34.5%)、「趣味・特技を生かしたかった」(年代合計:23.3%)となりました。
年代別でみると、20代から40代では大きな意識の違いは見られないものの、シニア層では、「自由に仕事がしたかった」(43.7%)、「収入を増やしたかった」(28.7%)に続いて、「退職後年金以外の収入も得たいから」(23.7%)が上位にランクインしています。また、他年代では回答が少なかった「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」(21.7%)、「定年後に社会とのつながりが欲しいから」(16.7%)の回答率が高い結果になっています。定年後のセカンドライフの充実において「シニア起業家」が一つの選択肢になっているといえます。
■不安要因は「お金」だけではない、「起業実務や事業運営」も悩みのタネに!
次に、起業関心層に「起業に対して不安に感じていることで、起業に踏み切れない(なかった)要因」について聞きました。全年代で見ると1位が「自己資金の不足」(年代合計:52.3%)、2位に「資金の調達の難しさ」(年代合計:39.3%)、3位に「収入減など失敗した時のリスクが大きい」(年代合計:37.8%)という結果でした。やはり、資金面や収入面に関する不安が大きいようです。
年代別でみると20代では、資金面の他に「起業の方法が分からない」(40.3%)、「各種手続きが煩雑そう」(38.9%)という回答が多く、「起業実務」に関する要因に不安を感じているようです。30代でも同様に「事業運営に関する知識・ノウハウがない」(46.8%)や「各種手続きが煩雑そう」(39.6%)が回答上位となり、実務面での不安や迷いが見てとれます。逆に、40代やシニア層は、資金面への不安や収入減に対するリスクに回答が集中しており、実務面についての不安は感じていないようです。
では、「起業に関心がない」と回答した人に対してどの不安要因が解消されれば起業したいと思うかを質問したところ、「自己資金の不足」(年代合計:25.0%)、「収入減など失敗した時のリスクが大きい」(年代合計:23.7%)が多くの回答を集めています。年代別でみると、資金不足や収入減のリスクの他に20代では「起業の方法が分からない」(29.5%)、30代では「起業の方法が分からない」(37.8%)、「事業運営に関する知識・ノウハウがない」(37.8%)などの回答が上位となりました。
■尊敬する起業家、シニア層は「松下幸之助」が上位にランクイン!
続いて、起業関心層に「尊敬する起業家・実業家を教えてください。」と聞きました。20代では「孫正義」、30代で「堀江貴文」、40代とシニア層で「松下幸之助」がそれぞれトップとなりました。また、20代の3位、40代の2位には「スティーブ・ジョブズ」が、シニア層の3位には「本田宗一郎」がランクインしています。
■起業したい職業、シニア層は「コンサルタント業」と「小売業」が1位
起業関心層に「起業したいと思っている(思った)職種」について聞いたところ、20代では「医療・福祉」(13.9%)がトップ。次いで、「生活関連サービス・娯楽業」(12.5%)と、他年代では見られない結果になりました。30代は、小売業(24.3%)と飲食業(22.5%)に回答が集中。他年代と比較して回答が分散しておらず、起業する際の業種についてはイメージが具体化されている傾向が見られます。40代では、1位が「小売業」(12.8%)、同率2位で「飲食業」(12.0%)と「生活関連サービス・娯楽業」(12.0%)。他年代と比較すると情報通信業(9.4%)の人気の高さもうかがえます。シニア層では、「小売業」(13.7%)と「コンサルタント業」(13.7%)が同率で1位、次いで飲食業(13.3%)という結果になりましたが、「教育・学習支援」も10.0%と高い回答結果となっており、これまでのキャリアで得たノウハウを活かしたいという意向があるのかもしれません。
最後に、起業環境に関して聞きました。「現在は起業しやすい社会環境である」と思いますかと質問すると、全年代において「あてはまる」と回答した人は、約25%以上となり、4人に1人は起業しやすい環境だと感じているようです。また「周りに起業し、成功した人がいるか」と聞くと、20代では36.2%、30代で29.1%、40代で24.2%、シニア層で22.2%が「あてはまる」と回答するなど、身近に起業成功者がいることが分かります。
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いかがでしたか? 人生100年時代と言われる今、起業しやすい社会環境も後押しとなり、定年後のセカンドライフの充実において「シニア起業家」が一つの選択肢になっているようですね。
■調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:20~69歳の男女 900名 ※一部、調査対象者は6683名です。
集計期間:2019年8月30日~9月2日