
蔵元推薦の食材を堪能

東京で美味しい焼酎の店となれば、必ず名前が挙がる一軒。2006年の開店から、店主の井上亮さんは九州に足繁く通い、蔵の人々と酒を酌み交わしては、彼らの飲み方や合わせる料理を道標として店を進化、研ぎ澄ましてきた。
たとえば、看板料理「じゃがじゃが鍋」。宮崎の蔵元、黒木本店の先代の紹介で出会った宮崎「あじ豚」を使った豚しゃぶで、蒸留後の醪を再利用した飼料で育つ。
「ベースに出汁を使ったり、特製のポン酢を試したりといろいろやりましたが、豚の脂がとても甘くて美味しいので、結局、水と普通のポン酢が一番よかったんです」
単純明快と笑うが、ひと口食べれば納得。ピュアな豚の美味しさと、傍らに同じく黒木本店の酒があれば、最高のマリアージュ。これ以上の至福はあるまい。

ほかにも蔵元からの推薦というお宝食材がザクザク。どれもシンプルに供し、焼酎のふくよかな風味を盛り立てる。「焼酎は香りの飲み物なので、香りを楽しんで」と語る、焼酎の割り方も見事。一事が万事。奇を衒わず、余分を省き、王道を進む店なのだ。


●焼酎ダイニング だけん
住所:東京都中央区八丁堀2-19-10 泰昌堂ビル1階
電話番号:03・5244・9804
営業時間:17時〜24時(最終注文23時)
定休日:日曜、祝日
交通アクセス:地下鉄日比谷線ほか八丁堀駅A3出口より徒歩約3分
取材・文/渡辺菜々緒 撮影/寺澤太郎
※『サライ』2026年8月号より












