地方のバーでジャパニーズウイスキーを嗜む

居酒屋探訪家 太田和彦さん
1946年生まれ。アートディレクター、作家。資生堂宣伝制作室デザイナーを経て、東北芸術工科大学教授を務める。全国の名酒場を訪ねる『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選』(BSイレブン)が放送中。著書多数。近著に
『80歳、不良老人です。』がある。

「地方のバーの片隅で、新聞を広げながらひとり国産ウイスキーを吞んでいたいですね」

「ウイスキーは人を考え事に誘う」

と太田和彦さんは語る。

「アルコール度数の高いウイスキーはビールのようにがぶ飲みはしません。口の中での滞在時間が長く、その間に人は頭を働かせています。すると、聞かれていなくても何か理屈を言いたくなる(笑)」

太田さんがウイスキーの嗜み方を知ったのは、勤め先のあった銀座のバーだったという。

「銀座といっても気取らないバーがほとんどで、飲んでいたのは国産ウイスキーが多かった。2~3杯飲んだら長居をせず帰ります。もっと飲みたかったら次のバーに行けばいいんです」

今も地方の居酒屋で飲んだらバーで仕上げる。

「地方のバーはカーディガンを羽織って行けるような普段着感覚がいいですよね。カウンターの片隅で新聞を読みながら飲んでいる常連を見ると、生活の一部になっているようで、真似したくなります」

焚火を囲んで仲間と飲む

「バーもいいですが、無人島で焚火を囲んで仲間と飲むウイスキーは最高です。ちょっと上等なジャパニーズウイスキーをストレートでやります。朝起きたら焚火の周りに、ボトルがごろごろ転がっている(笑)。そんな飲み方ができるのはウイスキーだけですよ」

ストレートに水を数滴垂らすだけで、ウイスキーが華開き、香りや味わいが増す。太田さんはこの飲み方をバーで教わった。

取材・文/宇野正樹 撮影/藤田修平

※2026年サライ3月号より

3月号大特集は『ジャパニーズウイスキーを極める』

 

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