
パンづくりの面白さは、発酵の力でむくむくと膨らむ姿や焼いているときの香りや音など、五感のすべてで楽しめるところ。道具はボウルとゴムベラだけ、手軽につくれるので、ぜひ休日に、焼きたてのパンを。
「こねずに混ぜるだけだから気楽に挑戦できますよ!」
●教える人 小堀紀代美さん(料理家)

パンを自宅で簡単につくれると聞き、向かった先は、料理家・小堀紀代美さんのキッチンだ。
「道具はボウルとゴムベラだけ。時間はかかりますが、こねずにつくれる気楽なレシピです」
そのパンはピザの原型といわれるイタリア発祥の“フォカッチャ”。強力粉、オリーブオイル、塩などの材料で、成形をせずに平らに焼くため、見た目は素朴ながら、小麦の風味がダイレクトに味わえる。
「水分量の多い柔らかい生地なので、ボウルで混ぜるのが一番。押しつけるようにすればOKです」
その後、乾燥しないようにオリーブオイルをまとわせ、まずは一次発酵。2倍ほどに膨らんだら空気を抜き、二次発酵させる。柔らかい生地を調理台に移して平らに広げたら、さらに15分間休ませる。小麦の風味と膨らみが豊かになるので、この時間も重要だ。フォカッチャ特有の穴を上面に指で開けたらオイルを注ぎ、いざオーブンへ。20分後、こんがりと焼かれたパンの香ばしさが広がる。
ザクザクッもちもち食感のフォカッチャは、小堀さんがイタリアで出会った味を再現したもの。どんな料理にも寄り添うこのパンを家で焼けたら、愉しさしかない。
フォカッチャ
外はザクザクッ、中はもちもちの楽しい食感。オリーブオイルと塩のみのシンプルな味付けで、小麦の香ばしさと風味が際立つ。
●材料(つくりやすい分量)
★ドライイースト 小さじ1/2
★砂糖 小さじ1/2
◎強力粉 100g
◎塩 小さじ1/4
ぬるま湯(40度) 80cc
オリーブオイル 大さじ2
ローズマリー(生) 1枝
結晶塩 ひとつまみ

●つくり方
1.イーストの準備をする
★の材料をゴムベラで混ぜ、ぬるま湯15ccを注いでよく混ぜ合わせる。暖かい場所(約25度)に約10分間置く。あらかじめイーストに砂糖を合わせると、発酵段階でのイーストの働きが活発になり、のびやかな生地に仕上がる。


2.粉類と液体を加えて混ぜる
ボウルに◎の材料を入れてゴムベラで混ぜ合わせ、1のイーストと残りのぬるま湯65ccを加えてぐるぐると混ぜる。粉っぽさがなくなり全体が柔らかくなったら、生地をボウルに押しつけながらこねるように混ぜる。


3.オリーブオイルをかけ、一次発酵
生地の表面につやが出て、全体がひとまとまりになったら、オリーブオイル小さじ2を回しかける。生地をすくい上げ、下側にもオイルを行き渡らせる。ラップをかけ、暖かい場所(約25度)に1時間置く。生地が約2倍に膨らむ。


4.空気を抜き、二次発酵
ボウルと生地の間にゴムベラを入れ、外側から中心に折りたたむ。中心でゴムベラをキュッと押して空気を抜き、これを一周させる。オリーブオイル小さじ2をプロセス3と同様に回しかけ、再びラップをして暖かい場所に1時間置く。


5.生地を広げ、15分間置く
生地が一次発酵後のように膨らんだら、クッキングシートを敷いた調理台にゴムベラで転がすように移し、中央から外側に2〜3cm厚さに広げる。ラップをぴっちりとかけ、約15分間置く。このタイミングでオーブンを220度に温める。


6.成形して焼く、完成!
指にオリーブオイルをつけ、ところどころに穴を開ける。残りのオリーブオイルを生地の上側と際きわに回しかけて結晶塩をふり、ローズマリーの葉をつんで穴に差す。オーブンに入れ、約20分間焼く。


完成!
取材・文/石出和香子 撮影/佐々木美果
※この記事は『サライ』本誌2026年3月号より転載しました。












