テスラから3列6人乗りSUV「モデルYL」が登場した。「究極のファミリーカー」をコンセプトとし、オールラウンドな活躍が期待できる電気自動車だ。試乗リポートと併せて紹介する。

文/竹井あきら

コンセプトは究極のファミリーカー

5月13日、東京都・二子玉川の複合施設「二子玉川ライズS.C.」の中にある「蔦屋家電」内に「テスラ二子玉川」がオープンした。この店舗を拠点に新型SUV「モデルYL」の試乗会が行われ、短時間ながら試乗の機会を得たので紹介したい。

「モデルYL」は、ミッドサイズSUV「モデルY」を進化させた3列6人乗りSUVだ。ボディサイズは全長4980mm×全幅1920mm×全高1670mm。「究極のファミリーカー」をコンセプトとし、「モデルY」比でボディを全長約180mm、ホイールベースを150mm延長することで、3世代ファミリーでの旅行などオールラウンドな活躍が期待できるクラス最大級の室内空間が生み出された。

フロントデザインは「モデルY」と共通で、スタイリッシュな印象のスタイリングを引き継ぎながら、ルーフラインを再設計することでSUVとして驚異的な空気抵抗係数(Cd値)0.216を実現した。これは既存の「モデル3」の0.219や「モデルY」の0.22をさらに下回り、そのおかげもあって一充電航行距離は788kmとたっぷり。ロングドライブをするとしても、さすがに1度は休憩を挟みたくなる距離だろう。

一充電航行距離を延ばすことができることから空気抵抗を抑えるのはBEV開発のキモだが、Cd値が低ければ風切り音が発生しにくくなるため、特に高速での静音性にも優れるといううれしいおまけも付く。今回は一般道のみの試乗だったが、新リアスポイラーによるダウンフォースにより高速安定性も向上しているという触れ込みだから、高速での遠出も楽しみだ。

大きなガラスルーフを備えた室内は明るく開放感がある。一方で特にこれから暑い夏を迎えるにあたって遮熱性が気になるところだが、遮熱効率を高めるシルバーメッキコーティングをルーフガラス、テールゲートガラスにも採用することで、快適性を向上すると共にエアコンの電力消費を抑えている。

暑さ対策としては、エアコン吹き出し口が後席にもしっかり用意されているのもパッセンジャーに喜ばれるだろう。センターコンソール後端に2列目用のものがあるのに加え、B・Cピラーの付け根あたりにもそれぞれ2・3列目用の吹き出し口が追加されている。

1列目には調整式ヘッドレスト、レッグサポート、ヒーター、ベンチレーションが用意される。同じくヒーターとベンチレーションが備わる2列目は、ゆったり座れる独立型キャプテンシート。ユニークなのが電動で昇降するアームレストで、一番下まで下げれば座面ときれいに一体化されるため、見た目がすっきりする上、3列目へのアクセスも楽にできる。

3列目は床面が1段高くなっていることもあってやや膝を立て気味な着座姿勢になるものの、大人でも充分座れる。電動リクライニングもでき、ISOFIXチャイルドシートにも対応している。

日本導入車は右ハンドル仕様。

さて、いざ発進と思っても、レバーやダイヤルといった物理シフトセレクターはない。発進の際はタッチスクリーン右端に表示されるクルマのアイコンを上方向にスワイプする。後退したいなら下に向かってスワイプ。正直なところ、タッチスクリーンなんてフリーズしたりブラックアウトしたりするのが当たり前という感覚からすると、慣れないうちは心もとない。

テスラジャパンに聞いたところ、タッチスクリーンだけでなく、オーバーヘッドコンソールにもボタン式のシフトセレクターがあるという。(じつは見つからなくてちょっと探した)ハザードボタンもオーバーヘッドコンソールにあるのだが、その両側のいずれかを長押しすることで、ハザードボタンを挟んで左側に「P」と「R」、右側に「N」と「D」というボタンが点灯して表示される。タッチスクリーンに不具合がある場合には、長押しなどの操作をすることなく、ボタンは自動的に点灯するそうだ。

テスラ車専用の超高速充電ステーション「スーパーチャージャー」を行き先に設定すると、急速充電に備えてバッテリーのプレコンディショニングが始まるのはさすがだ。

EVらしく出足から力強く、加速も十二分で重さを感じさせない。しっかり回生ブレーキが利くため基本的にワンペダルでのドライブが可能だ。同時に、どっしりとした安定感もあり、急かされるような過剰なスポーティさもなく、先進的な雰囲気からすると意外なくらいファミリーカーらしい走りだ。

同じく意外に感じたのはルームミラーがデジタルインナーミラーではないこと。全長が伸びて後方視界がより遠くなったこともあり、もうひと回り大きなサイズのデジタルインナーミラーならもっと安心感がある。見晴らしがいいので基本的には大きさも気にならないほど運転しやすいが、Bピラーが太いので右後方の視認性についてもやや気になった。

ご存じの通りテスラは「Full Self-Driving (Supervised)」という自動運転システムをグローバルで進めていて、日本への導入は未定だが、テスラジャパンとしては2026年中の導入を目指しているという。「Full Self-Driving (Supervised)」はエクステリアカメラによって360°交通状況を把握するが、「見るのはヒトではなくカメラの仕事」という前提でクルマがつくられているのかもしれない。

ステアリングは「モデルY」と同様に「重い」「標準」「軽い」の3段階が選択可能。個人的には、走行中は「重い」がダイレクト感もあって安心感があり、車庫入れ時には「軽い」が扱いやすかった。

積載量は最大2539L。6人乗車時でもトランクに28インチスーツケースと20インチスーツケースが同時に収納可能とのこと。荷室側面のスイッチで2・3列目のシートを倒したり起こしたりできるのはとても便利だった。

「モデルYL」の駆動方式はデュアルモーターAWD(四輪駆動)のみで、車両本体価格は749万円。ボディカラーは新色「コズミックシルバー」を追加した6色展開、ホイールは専用マキナホイール 19インチのみ。購入時に選ぶのはボディカラーとシートカラーだけということで、オプションで総額が膨らんでいく不安はない。

現在、国から127万円、東京都在住なら40万円から最大80万円の補助金の対象となっているという。また、テスラジャパンでは新車を4月1日以降に注文し、6月30日までに納車完了したカスタマーに対して、テスラスーパーチャージャーを利用した充電料金が3年間無料になるキャンペーンも実施しているというのもガソリン代高騰の折に夢のような話だ。

前述の「テスラ二子玉川」はじめ、日本全国にテスラストアのオープンも相次いでいるので、イーロン・マスクが好きなあなたもそうでないあなたも、ちょっと覗いてみてはいかがだろう。

テスラジャパン
https://www.tesla.com/ja_jp

テスラ二子玉川
東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズS.C.テラスマーケット二子玉川蔦屋家電

 

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