文/印南敦史

画像はイメージです。

「疲れやすくなった」「やせにくくなった」など、“体の不調”を感じることはよくある話。あるいは、漠然と不安を感じたり、ついイライラしてしまうというような“心の不調”に悩まされる方も少なくないかもしれない。

「それが歳をとるということなのだ」と思いたくもなるが、あきらめるのはまだ早い。『ココロとカラダが超回復 食べて毒出し』(蓮村 誠 著、総合法令出版)の著者によれば、上記のような不調はすべて「毒素」が原因なのだそうだ。

したがって、不調を改善するためには「毒出し」をすればいいのだ。語感はなにやら恐ろしいが、要するに「未消化物」を出してしまうということである。

私たちは食事で体内に入れたものを胃腸で消化し、体をつくる栄養素と排泄物とに分けている。栄養素は肝臓に送られ、血液や筋肉などの、組織やエネルギーの源になる。

ところが食事が体質に合っていなかったり、消化力以上のものを食べてしまうと、消化しきれず未消化物として体内にため込まれてしまう。そして排泄されることなく、酸化してしまうのだ。

つまりはこれが、万病のもとである「毒素」の正体。

「健康になるために続けてきた食習慣が、じつは毒素をためる原因だった」ということもあり得るのだ。そこで本書ではさまざまな症状について、“食事による改善・予防法”を紹介しているのである。

サライ世代にとって、食事に関する最大の悩みといえば「太りやすくなった」ということではないだろうか? いわゆる「代謝が落ちてきた」という問題だが、この原因としては消化力が弱まっていることが挙げられる。

消化力が落ちると、以前と同じものを食べたとしても、それをエネルギーに変換しきれなくなる。そのため毒素がたまりやすくなり、太ってしまうのである。

だとすれば、年齢のせいだとあきらめてしまう前に、消化する力を整えるべきだろう。

とはいえ難しいことではなく、具体的には白湯が有効なのだという。

白湯は、消化力を高め代謝をよくし、心とカラダを温めてくれます。しかも、お湯を沸かすだけでできてしまうので、お金もほとんどかからないという優れもの。
朝起きたときと食事中に、それぞれコップ1杯を飲むように心がけてみましょう。
(本書144〜145ページより)

食べたものの消化をスムーズにし、消化力そのもののパワーを上げてくれる働きが白湯にはあるのだ。

また、もうひとつ気になるのが食欲不振だ。体調が悪いという自覚はないのに食欲がないということも、決して珍しくはない。だが、それも毒素がたまっていることが原因であるそうだ。

消化力が弱まると食べたものがうまく消化できないため、未消化の毒素として体内にとどまってしまう。だから食欲がわかないという悪循環だ。

そこで、まずはたまっている毒素を取り除くべき。そして“消化する力=消化の火”を症状に戻す。消化力が上がれば、自然にお腹が空くようになるからだ。

そして消化力が正常であれば、食べたものは順調に消化されて栄養分になり、残りは「燃えかす」となって排泄される。自然な循環を実現できるため、毒素はつくられないというわけだ。

消化力をあげるためには、朝の温かいスープが効果的です。消化力を刺激するので、昼にお腹が空きやすくなります。クミン、ジンジャー、黒こしょう、カルダモンなど、スパイスを使うとさらに効果がアップします。スープだけだと昼までにお腹が空きすぎてしまう人は、ご飯を軽く食べるのがよいでしょう。(本書147〜148ページより)

昼にしっかり食べたら、夜はまた少なめにするのがポイント。こうしたサイクルを繰り返すことで、だんだんと無理なく毒素が減っていくのである。

「と、いわれても、それはちょっとキツそうだなあ」とお感じなら、週に1〜2回、夕食をスープだけにしてみてもいいようだ。

それからもうひとつ。間食は控えるべき。また、お腹が空いていないときは無理に食べないことも大切だ。いうまでもないことではあるが、毒素を増やす原因になってしまうからである。

たとえばこのように、毒素を出す方法はいたってシンプル。気を張る必要がなく、ましてやリスクがあるわけでもないのだから、まずはできそうなことから試してみるべきだろう。

穏やかな気持ちで続けていけば、いつしか毒が抜けたことを実感できるようになるかもしれないのだから。

『ココロとカラダが超回復 食べて毒出し』
蓮村 誠 著
1540円
総合法令出版

文/印南敦史 作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)などがある。新刊は『「書くのが苦手」な人のための文章術』(PHP研究所)。2020年6月、「日本一ネット」から「書評執筆数日本一」と認定される。

 

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