取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ

今回お話を伺った幸子さん(仮名・40歳)は38歳のときに結婚して、現在は都内で旦那さまと暮らしています。幸子さんは愛知県出身で、両親と5歳上に兄のいる4人家族。中学時代のいじめに対して世間体を大事にした両親とは大学での一人暮らしを機に疎遠に。転職先でうまくできないところを支えてくれた今の旦那さまと恋仲になるも、当時は別の女性と結婚していて……。

「相手は2つ上で、出会ったときから既婚者で私はその事実を知っていた。付き合えるなんて思っていなかったし、まさか自分が不倫をしてしまうなんて。本当にダメな人間なんですけど、最初にはあんなにあった罪悪感は一緒にいる期間が長ければ長いほど薄れていきました」

一度は完全に別れたものの、再会したときにはバツイチで

相手夫婦には子どもはおらず、2人の仲が深くなっていくときに不妊の話を聞きます。

「最初は夫婦仲のことなんて、一切聞いていませんでした。私自身も何も知りたくなかったので、相手の家庭的な部分には目を背けていたんです。

付き合いは3年に及び、その中で男性側が原因で不妊であることを知らされました。不倫相手にこんなことを言う男性は最低かもしれませんが、辛さを吐き出すような感じには同情してしまって……。何も言われていないけど、そのことで夫婦仲がうまくいっていないんだろうなって思いました」

付き合いは3年で終了します。幸子さんは半年以上前に別れを決意して、準備を進めていたそう。それを実行しただけだと語ります。

「未来を期待していないと言っても、同じ職場なので時折職場内での家庭の話などが耳に入って、その辛さが積もっていった感じです。もうすでにズルズルいっていたけど、これ以上は……、あのときは限界だったんだと思います。私は別れに向けて、相手には別の理由を言って引っ越しをして、会社を辞めて。そして、新しい住所を教えないままに別れました」

連絡を取らなかった期間は、約4年。その間に相手はバツイチになっていました。

「『元気?』ってメールが入って、何度かやりとりする中で離婚したことを伝えられて、食事に誘われました。

離婚して1年ほど経ってからの連絡で、最初からもしかして、というかすかな期待があったことは確かです」

【不倫の過去を消すために嘘に嘘を重ねていく。次ページに続きます】

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