文豪ゆかりの温泉地「名作が生まれた宿」５選

情報提供／一休.com

日本の各地には、文豪とゆかりの深い温泉地が数多く存在します。文豪は温泉地に逗留することで、多くの名作を生み出してきました。日常から離れた場所に身を置き、四季折々の自然に触れ、心身を癒す時間は、文豪たちの創作意欲をかきたてるものだったのでしょう。

快適で贅沢な時間を過ごせるホテルや旅館を厳選して取り扱う宿泊サイト「一休.com」に掲載されているホテルの中から、大人の贅を知り尽くしたサライ.jp 読者におすすめしたい「名作が生まれた宿」を厳選しました。文豪に愛されてきた各地の温泉をご紹介します。

宿泊したいホテルを見つけたら、＜一休ボタン＞をクリックしてください。「一休.com」でWeb予約が可能です。

事前に各作品を読んでから訪問すると、旅がより味わい深いものになるでしょう。

1：鉛温泉 藤三旅館

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『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など数々の名作を残した宮沢賢治。岩手県花巻市で生まれた宮沢賢治が、幼い頃からよく訪れていたのが『鉛温泉 藤三旅館』です。童話『なめとこ山の熊』の中には、実際に「腹の痛いのにも利けば傷も治る。鉛の湯…」という記述が見られます。

また、昭和時代の小説家・田宮虎彦が書いた『銀心中』は、同館が舞台。現在でも、田宮虎彦が執筆をしたとされるお部屋は宿泊が可能です。小説の舞台ともなった同館で、ロマンを感じるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

▷源泉５本、４浴場。すべて源泉100％掛け流し

宮沢賢治が童謡の中でうたうほど、上質な泉質を誇る同館の湯。温泉の歴史は600年、旅館としても230年の歴史を誇ります。特筆すべきは、その源泉の数。有名な温泉地でも珍しいとされる、５本の源泉を有しています。さらには、「非加熱」「非加水」「非循環」という贅沢さ。

特に、岩風呂「白猿の湯」では、底から透明な湯がこんこんと湧き出ており、湯のパワーをたっぷりと堪能できます。なお、こちらは深さが1.25mほどもある立居浴専用の温泉。全身にまんべんなく圧がかかるため、循環器系を整える作用や、血行促進効果も期待できます。

▷この宿ならではの魅力

『鉛温泉 藤三旅館』の客室は、総けやき造りの本館と、鉄筋造りの別館の２つ。本館では、田宮虎彦が執筆した和室のほか、２面の窓から渓流を望める開放的な部屋などがあります。木造のお部屋では、懐かしさとともに和の風情を感じられるでしょう。また、別館でも渓流を望める部屋を完備。本館の雰囲気はそのままに、鉄筋造りならではの快適さを楽しめますよ。

問い合わせ先
IN 15:00～21:00
OUT 10:00
室数 全32室
ペット 不可
お子様 可
住所／岩手県花巻市鉛字中平75-1
TEL／0198-25-2311

おすすめプランは「【湯治部専用プラン】温泉文化を愉しむ湯治のスタンダート 地産地消に拘った「湯治部膳」※部屋食」２名で税込12,200円～。

２：越後湯沢湯元　卵の湯　雪国の宿　高半

情報提供：一休.com

文豪・川端康成の代表作といえば、『雪国』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。その『雪国』は、当宿の「かすみの間」という部屋にて、昭和９年（1934）の晩秋から昭和12年（1937）にかけて執筆されました。「かすみの間」は、当時の状態がそのまま維持されており、現在も見学することができます。

さらには、川端康成の作品や、直筆の色紙、同館ゆかりの作家の作品を集めた展示室、数百冊を有する図書コーナーなどもあり、文学好きにはたまらない宿といえるでしょう。

▷無加熱・無加水。天然の温泉をそのまま掛け流し

『越後湯沢湯元　卵の湯　雪国の宿　高半』で湧出するのは、「卵の湯」。わずかな硫黄の香りと、溶き卵を入れたような湯花が咲くことが名前の由来だそうです。加水や温度調整を行っていない源泉をそのまま浴槽へ注いでいるため、高い効能を得られるのが特徴。広々とした男性大浴場では、大きな窓の向こうに広がる豊かな自然を見ながら湯浴みすることができます。女性浴室には、四季の景色を楽しめる露天風呂も完備していますよ。

▷この宿ならではの魅⼒

雪国ならではの美食を楽しめるのも、『越後湯沢湯元　卵の湯　雪国の宿　高半』の魅力の一つ。食事には、基準米よりも特に優れた特A級の南魚沼産コシヒカリを提供。このお米は、昼夜の寒暖差が大きい場所かつ、ミネラルをたっぷり含んだ雪解けの清流で育っているため、もっちりとした食感に仕上がります。さらに、この美味しいお米に合うような、魚沼産の川魚や、日本海の魚介類も提供。雪国の美味をあますことなく楽しめます。

問い合わせ先
IN 15:00～24:00
OUT 10:00
室数 全34室
ペット 不可
お子様 可
住所／新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢923
TEL／025-784-3333

おすすめプランは「【早期割28】断然お得！28日前までにご予約なら1650円OFF！2食付プラン」２名で税込25,300円～。

３：旅館たにがわ

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太宰治の代表作ともいえる『人間失格』。同作品を書くきっかけとなった『創世記』を執筆した場所が、『旅館たにがわ』の前身・谷川館です。太宰治は、短編小説『姥捨』の中でも、谷川館の老夫婦と水上温泉郷を登場させており、ここでの滞在が文学的な想像をかきたてるものだったことがうかがえます。

太宰治とゆかりの深い『旅館たにがわ』には、太宰治の本や石碑、山崎富栄や小山初代などの資料を展示した太宰治文学資料室があり、手に取って見ることも可能です。さらには、太宰治が当時滞在したとされる部屋を再現した和室もあります。

▷谷川岳の雄大な景観を楽しめる客室

日本百名山の一つ、谷川岳。その「谷川岳に手が届きそう」をキャッチフレーズに掲げるお部屋は、素晴らしい眺望が魅力。四季折々の景色や、野鳥のさえずりなど、谷川岳の自然を存分に堪能できます。

お部屋は、全て和風の造りで、源泉掛け流しの露天風呂が付いた豪華な客室、居間から洗面所・トイレまで段差のないバリアフリー設計の客室、小上がりのベッドが配され大正ロマンを感じさせる客室など様々。滞在スタイルに合わせて、好みの客室を選んでみてください。

▷この宿ならではの魅⼒

江戸時代から湧き続ける谷川温泉は、豊富な湯量が特徴です。湯は、無色透明（アルカリ性単純泉）で、婦人病や皮膚病、神経痛等など、20種以上もの効能が認められているのだとか。ゆっくりつかればつかるほど、その効果を実感できるでしょう。

浴場には、野趣あふれる露天の岩風呂と、檜造りの内湯が完備されており、それぞれ趣が異なります。有料ではありますが、谷川岳の絶景をプライベート空間で楽しめる貸切風呂もあるので、ぜひ利用しておきたいものです。

問い合わせ先
IN 14:00～18:00
OUT 10:00
室数 全29室
ペット 不可
お子様 可
住所／群馬県利根郡みなかみ町谷川524-1
TEL／0278-72-2468

おすすめプランは「【早割：45日前】旅館たにがわスタンダード『早割45』プラン」２名で税込32,200円～。

４：島崎藤村ゆかりの宿　伊藤屋

情報提供：一休.com

島崎藤村の大作『夜明け前』の原案を練ったとされる宿が『島崎藤村ゆかりの宿　伊藤屋』。島崎藤村は、1928年から十数年にわたり、出版社への原稿提出後に同館を訪れ、温泉療養をしていたのだとか。当時の宿帳や献立、島崎藤村がしたためた２種の墨書は、今もなお館内に保存されています。また、島崎藤村のほかにも、黒田清輝や有島武郎、三遊亭円朝など、様々な文人などから定宿として愛されてきた宿です。

▷大正時代に建築された歴史ある建物

客室は、古き良き時代を感じられる木造建築。特に本館３棟はそれぞれ、大正初期、大正15年（1926）、終戦後に建築されたもので、その昔懐かしい佇まいにリピーターも多いのだとか。広縁の椅子に腰掛け、四季折々の景観を望みながら、数々の文人に思いを馳せるのも一興ですね。

なお、本館にある52番のお部屋は、明治天皇の侍従長であった徳大寺公爵のために建てられたもの。本間、次の間、化粧の間からなる書院造で、室内には組子の建具や透かし彫りの欄間などが配されています。風雅な趣を感じたい方はぜひ宿泊してみてはいかがでしょうか。

▷この宿ならではの魅⼒

湯河原温泉は、万葉集にも記述があるほど歴史の古い温泉で、先述の通り、多くの文人に愛されてきました。同館のお風呂は、24時間入浴可能で、心ゆくまでその湯を堪能できます。天然石を配した野趣あふれる内風呂に、庭園風の貸切露天風呂、段差のないバリアフリー仕様の貸切半露天風呂も完備。貸切風呂は、空いていれば無料で何度でも利用できるところも嬉しい点です。

問い合わせ先
IN 15:00～18:00
OUT 10:00
室数 全13室
ペット 不可
お子様 可
住所／神奈川県足柄下郡湯河原町宮上488
TEL／0465-62-2004

おすすめプランは「【スタンダード】伊藤屋を知っていただく基本プラン」２名で税込38,500円～。

５：城崎温泉　登録有形文化財の宿　三木屋

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“小説の神様”と称せられた志賀直哉。大正６年（1917）に発表した『城の崎にて』は、『城崎温泉　登録有形文化財の宿　三木屋』での滞在をもとに書かれた私小説です。

大正２年（1913）、志賀直哉は電車にひかれ重傷を負いましたが、病院で治療を受け九死に一生を得ます。怪我の療養にと訪れたのが同宿。ここで目にした蜂、ネズミ、イモリの死と、自分の体験を照らし合わせ、生と死をテーマとした『城の崎にて』が生まれました。その後も、執筆や家族旅行などで、何度も同宿を訪れたのだそうです。

▷登録有形文化財として認められた宿

『城崎温泉　登録有形文化財の宿　三木屋』は、昭和２年築の木造建築で、登録有形文化財にも指定されています。古びた佇まいの中に、その格式の高さを感じられることでしょう。お部屋は、書院造の和室にウッドフロアのベッドルームが付いた和洋室や、志賀直哉の小説『暗夜行路』にも描かれた庭園が望める庭園側和室など、全部で８タイプ。また、志賀直哉がお気に入りだったという26号室のお部屋は、現在でも宿泊が可能です。

▷この宿ならではの魅⼒

７つの外湯めぐりが有名な城崎温泉ですが、同宿では、内湯でもその名湯を楽しむことができます。「ひいらぎの湯」は、もともと客室だった場所をお風呂として作り替えたもの。鴨居や縁側の天井、土壁など、客室の名残を感じられるのが魅力です。もう一つの内湯「つつじの湯」は、その名の通り、窓の外のサツキツツジ、ドウダンツツジ、ヒラドツツジの３種類のツツジを観賞しながら湯浴みできます。

問い合わせ先
IN 15:00～18:30
OUT 11:00
室数 全16室
ペット 不可
お子様 可
住所／兵庫県豊岡市城崎町湯島487
TEL／0796-32-2031

おすすめプランは「【6/1～11/6一部工事中につき割引価格！】但馬牛付き季節の会席」２名で税込44,000円～。

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今回ご紹介したのは、文豪が滞在した部屋を当時のまま残していたり、直筆の色紙、墨書など貴重な資料を保存していたりする宿ばかりです。作品や資料に触れることはもちろん、文豪と同じように逗留し、その軌跡を辿ってみてはいかがでしょうか。

※本記事で紹介したプランの価格はすべて税込です。
※本記事は2022年７月８日（金）時点での情報をもとに作成しています。
提供されるサービスの内容は随時、変更になる場合があるため、各プランの詳細をご確認のうえお申し込みください。

情報・写真提供／⼀休.com

文／阿部雅美（京都メディアライン）
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