取材・文/沢木文

写真はイメージです

お話を伺ったのは、光昭さん(仮名・63歳・会社役員)。

結婚35年、3歳年下の妻が、年末の同窓会以降、明らかに態度が変わっていったという。長男は30歳で英国在住、28歳の長女は美容師として活躍中。理想的な家庭を築いてきた。

【その1はこちら】 

* * *

夫が家事は一切しなくていいという家庭

「還暦記念の同窓会みたいなものがあって、妻はずいぶん楽しそうにして帰ってきた。行くまでどうしようか迷っていたから、『行ってよかったね』と伝えると、ギョッとした顔をしたことが怪しいといえば怪しかった」

光昭さんに妻はどのような女性かと聞くと、「包み込むように優しい」という。

「体型のこともあるんだろうけど、とことん世話を焼いてくれる。察して体が先に動く人ともいえる。この35年間、家事を一切やったことがないし、文句を言われたこともない」

なぜ、そのことに気が付いたかを伺うと、40代の部下のグチを聞いたから。

「今、“育メン”、“家事メン”って言うみたいだよね。共働きならいいけれど、ウチの会社は給料がいいから奥さんが専業主婦という家庭も多い。先日、喫煙室で部下がしきりに私をうらやましがるから、何のことかと思ったら、彼らの奥さんはすごく怖いんだ。靴下を丸めて脱いで部屋に置いておくと激怒される。靴を3回揃えなかったら家出された。洗濯が終わった洗濯物をほぐさずに乾燥機にかけたら口をきいてもらえなかったなど、驚くくらい厳しい。『光昭さんの奥さんみたいな人が理想ですよ』と口をそろえている。妻は一切の家事を私にさせていない。やろうとすると、『いいわよ。私が好きでやってるの』と笑ってくれる」

長男と長女は、かゆいところに手が届くような母親の世話を嫌がって、早々に独立した。

「いい大人なんだからやめろよ、と何回言っても、部屋を掃除したり、洗濯したりする。それを嫌がって、2人とも家をすぐに出てしまった。育児で燃え尽きる“空の巣症候群”を心配していたら、ワイン教室や料理教室に通ってイキイキし始めた。あのころから、痩せてキレイになって、また太ってを繰り返していたかもしれない」

経験上、結婚している女性が、男性目線での“キレイ”……すなわち、華奢な身体、ツヤツヤの髪、大きな目、若々しさのようなものを演出していくのは、背景に恋人がいるケースが少なくない。

「ということは、10年前から、浮気を繰り返していたということになるね。そうなると、たくさんの謎が解けてくる。短大の同級生と小旅行に出かけたり、帰宅が遅くなったり。私も仕事で遅くなっていたし、妻は家事の手を抜くことがなかったので気にも留めなかった」

「女として必要とされたい」と、何度か言われていた。次ページに続きます】

1 2

 

関連記事

ランキング

サライ最新号
2024年
11月号

サライ最新号

人気のキーワード

新着記事

ピックアップ

サライプレミアム倶楽部

最新記事のお知らせ、イベント、読者企画、豪華プレゼントなどへの応募情報をお届けします。

公式SNS

サライ公式SNSで最新情報を配信中!

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

「特製サライのおせち三段重」予約開始!

小学館百貨店Online Store

通販別冊
通販別冊

心に響き長く愛せるモノだけを厳選した通販メディア

花人日和(かじんびより)

和田秀樹 最新刊

75歳からの生き方ノート

おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店
おすすめのサイト
dime
be-pal
リアルキッチン&インテリア
小学館百貨店