鉄甲船の海戦が見たい!

信長(演・小栗旬)から死ねといわれる秀吉(演・池松壮亮)。(C)NHK

I:さて、この『豊臣兄弟!』第20回ですが、北陸の戦線を勝手に離脱したということで、秀吉に死罪が命じられました。

A:過去の『おんな太閤記』『秀吉』では、蟄居を命じられた後に、「飲めや歌えやの大騒ぎ」が定番でしたが、『豊臣兄弟!』では、小一郎が音頭をとって「助命嘆願」に動きます。その中で明智光秀(演・要潤)が発した「この胸の奥に公方様をお救いできなかった悔みが未だに小さい火種としてくすぶっておる」が心に響きました。明智光秀に今後どのような事態が待ち受けているのでしょうか。

I:本当に要潤さんの明智光秀、いいですよね。そして、将軍義昭(演・尾上右近)は追放されたとはいえ、まだ現役将軍。私は足利義昭にもまだまだ登場してほしいと願っています。

A:武田信玄(演・髙嶋政伸)の死、朝倉・浅井氏の滅亡で「反信長戦線」も力が減じていますが、ほぼ同時期に大阪湾の木津川河口周辺で争われた「木津川の戦い」が繰り広げられています。海戦ということで、その絵作りが難しいのか、なかなか大河ドラマで描かれることがありません。「織田水軍」が「毛利水軍」に大敗した「第一次木津川の戦い」が天正4年(1576)ですから、松永久秀の離反とほぼ同時なわけです。

I:信長と十年戦争を展開している石山本願寺へ兵糧を運んだという戦いですね。

A:第二次木津川の戦いでは、九鬼水軍が信長に味方した海戦で、船体を鉄の板で覆ったという「鉄甲船」が登場して、毛利水軍を破った戦いですね。こちらもなかなか大河ドラマでは登場しないのですが、一度見てみたいですよね。

I:VFX(ブイエフエックス)の力でなんとかならないのでしょうか。

家族や一門が署名した秀吉助命を嘆願する起請文を広げる小一郎(演・仲野太賀)。(C)NHK

信長はなぜ離反されるのか?

A:ところで、信長って、義弟の浅井長政(演・中島歩)に離反されただけでなく、信玄五女松姫と信長嫡男信忠が婚約するなど、蜜月関係にあった武田家とも合戦に及ぶことになりました。贈り物を贈り合って友好関係を築いていた上杉謙信(演・工藤潤矢)も同様です。

I:信玄五女の松姫といえば、武田家が滅亡した際に、国境を越えて八王子まで逃れたそうです。その時、山越えした峠に「松姫峠」という名が付された話が好きです。一度踏破してみようと思いながら、未だ果たせていません。車での往来は2014年に開通した「松姫トンネル」でずいぶん楽になったようですが。

A:なるほど。日本橋から京都までの東海道を徒歩(かち)で踏破した経験のあるIさんらしいですね。いずれにしても信長からみれば、「なぜじゃ、なぜじゃ、なぜじゃ」の連続だったと思います。

I:松永久秀を攻める織田勢の陣中には、筒井順慶、荒木村重(演・トータス松本)、明智光秀に加えて信長嫡男信忠(演・小関裕太)が在陣していました。それぞれ各人の人生にドラマがあるんですよね。

A:それがどう描かれていくのか。次週はついに「官兵衛」の登場です。

松永久秀の最期を目の当たりにする小一郎(左)と秀吉(右)。(C)NHK

●編集者A:書籍編集者。かつて『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。

●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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