はじめに-森可成とはどのような人物だったのか

2026年NHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』にも登場する森可成(もり・よしなり、演:水橋研二)は織田信長(演:小栗旬)の家臣として各地を転戦し、元亀元年(1570)に近江の宇佐山城で浅井・朝倉の大軍を相手に奮戦し討死しました。

子に森長可(もり・ながよし)や森蘭丸(もり・らんまる)を持つことでも知られますが、可成自身もまた、信長の初期を支えた有力武将でした。この記事では、森可成が生きた時代と、その生涯の主な出来事をたどります。

『豊臣兄弟!』では、武芸に優れた槍の名手として描かれます。

森可成
森可成

森可成が生きた時代

森可成が生きたのは、戦国大名どうしの争いが続く中で、織田信長が勢力を急速に広げていった時代でした。可成は美濃(現在の岐阜県南部)の出身で、はじめは斎藤道三に仕え、その後は織田信長のもとで働きます。

当時の信長は、尾張(現在の愛知県西半部)の統一から美濃攻略、さらに上洛、近江(現在の滋賀県)・伊勢方面への進出へと戦線を広げていました。可成はその過程でたびたび軍事行動に参加し、信長の有力家臣の一人として活動します。

ところが元亀元年(1570)、情勢は大きく揺れます。信長の越前攻めをきっかけに浅井長政が離反し、朝倉氏と結んで反信長の動きを強めていったのです。

森可成の生涯と主な出来事

森可成は、大永3年(1523)に生まれ、元亀元年(1570)に没しました。その生涯を、出来事とともに紐解いていきましょう。

美濃に生まれ、のちに信長に仕える

森可成は大永3年(1523)に美濃で生まれました。通称は三左衛門です。はじめは斎藤道三に仕え、その後、織田信長に仕えたとされます。

可成は弘治2年(1556)の美濃斎藤義龍攻め、同年の織田信行攻め、永禄11年(1568)の近江六角氏攻め、永禄12年(1569)の伊勢北畠氏攻めなどに参加しています。

信長が勢力を広げていく重要な戦いにたびたび加わっていることからも、可成が早い段階から信長の軍事行動を支える存在だったことがわかります。

織田信長
織田信長

志賀・宇佐山城を任される

可成の生涯で最もよく知られるのは、元亀元年(1570)の近江での戦いです。この年、信長は可成に近江の志賀・宇佐山の両城を預けました。

宇佐山城は、比叡山のふもとに位置し、京都や近江方面を見渡す上で重要な拠点でした。そこを任されるということは、信長が可成を強く信頼していた証しともいえるでしょう。

信長にとって近江南部は、浅井・朝倉、さらに比叡山や京都周辺の情勢とも深く関わる緊張地帯でした。その最前線に可成は置かれたのです。

宇佐山城跡

浅井・朝倉の反攻と宇佐山城の戦い

しかし、同じ元亀元年(1570)9月、情勢は急激に悪化します。信長が摂津の野田・福島を攻めている間に、浅井・朝倉の大軍が近江へ進撃しました。可成は宇佐山城で織田信治とともにこれを迎え撃ちます。

しかし、防戦むなしく討死しました。享年48歳でした。『言継卿記(ときつぐきょうき)』には、わずか600の手勢で3万の大軍を相手に1,000を討ち取ったと記されています。誇張を含む可能性があるとしても、可成が圧倒的に不利な中で激しく戦ったことは確かでしょう。

子らもまた戦国を生きる

可成は子どもたちの存在でも広く知られています。6男3女があり、中でも森長可、森蘭丸は有名です。特に森蘭丸は、本能寺の変で信長に殉じたことで広く知られています。

まとめ

少数で大軍に立ち向かった奮戦は、森可成の名を今に伝える大きな理由です。

可成は、信長の初期を支えた武将の一人として、そして戦国の苛烈さを体現した人物として、今なお注目すべき存在といえるでしょう。

※表記の年代と出来事には、諸説あります。

文/菅原喜子(京都メディアライン)
肖像画/ぐう(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com FB

引用・参考図書/
『日本大百科全書』(小学館)
『世界大百科事典』(平凡社)
『日本人名大辞典』(講談社)
『国史大辞典』(吉川弘文館)

 

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