
「漢方薬は自然由来だから、いくつか併用して飲んでも大丈夫そう」と思っていませんか? 冷えやなんとなく続く慢性的な不調などのお悩みに寄り添ってくれる漢方薬は、身近なセルフケアの選択肢のひとつです。ただし、複数の漢方薬や西洋薬などとの組み合わせによっては、思わぬ副作用につながることも。
あんしん漢方所属の薬剤師で漢方薬に詳しい中田早苗さんに、漢方薬を安心してセルフケアに取り入れるために知っておきたい、飲み合わせについてうかがいました。
知っておきたい漢方薬の飲み合わせ

漢方薬は、植物や鉱物など自然由来の生薬を複数組み合わせてつくられる薬です。そのため一般的に西洋薬より副作用が少ないとされていますが、医薬品である以上、副作用や飲み合わせへの注意は必要です。
自己判断で複数の漢方薬を併用したり、西洋薬と組み合わせたりすると思わぬ副作用が起こることもあります。漢方薬を飲む際は、飲み合わせの注意点も知ったうえで活用しましょう。
注意したい漢方薬の飲み合わせ

ここでは、漢方薬の飲み合わせでとくに知っておきたい2つのポイントを紹介します。
1.同じ生薬の重複
漢方薬に含まれる生薬のなかには複数の漢方薬に用いられるものがあります。そのため、2種類以上の漢方薬を併用していると、知らず知らずのうちに摂りすぎになる可能性があります。
とくに注意したい生薬は、甘草(かんぞう)、麻黄(まおう)、附子(ぶし)、大黄(だいおう)です。
甘草は約7割の漢方薬に含まれる生薬です。摂りすぎると血圧上昇やむくみ、体内のカリウム低下によるだるさや筋肉痛、こむら返りなどが起こる偽アルドステロン症につながることがあります。
麻黄は「葛根湯(かっこんとう)」や「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」などに含まれる生薬です。体を温める作用がありますが、交感神経を刺激する作用もあるため、摂りすぎると動悸や不眠などにつながりやすくなります。
附子は「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」などに含まれる生薬で、体を温める作用や鎮痛作用があります。摂りすぎると動悸や不整脈などにつながることがあるため注意が必要です。
大黄は「大柴胡湯(だいさいことう)」や「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」などに含まれる生薬です。下剤としてよく使われる生薬で、摂りすぎると下痢になることがあります。
複数の漢方薬を併用する場合は、これらの生薬の摂りすぎにならないように注意しましょう。
2.西洋薬
漢方薬と西洋薬は併用されることもありますが、組み合わせによっては一方の作用が強く出たり、体への負担が増えたりすることがあります。
たとえば「小柴胡湯(しょうさいことう)」とインターフェロン製剤は、併用すると間質性肺炎になることがあるため併用は禁忌とされています。
また、大黄を含む漢方薬と下剤を併用した場合は、効果が強く出すぎることがあるため注意が必要です。
飲み合わせに注意が必要な飲み物・食べ物

漢方薬を飲む際は飲み物や食品との組み合わせにも気を配ることが大切です。とくに注意したい飲み物や食べ物を紹介します。
1.カフェイン飲料・ジュース
お茶やコーヒー、紅茶などのカフェインを含む飲料や、ジュース、牛乳、アルコール飲料などで服用すると、薬の吸収や作用に影響することがあります。
漢方薬は食前や食間に飲むものが多いため、朝のコーヒーやジュースと一緒に済ませたくなることもあるかもしれません。しかし、そうすると漢方薬の効果が十分に得られない可能性があるため、飲む際はコップ1杯程度の水またはぬるま湯がおすすめです。
ただし、鉄瓶で沸かしたお湯での服用はNGです。鉄分に生薬が反応して薬の効果に影響する可能性があります。
2.リコリス(甘草)を含むお菓子・お茶
リコリス(甘草)を含むお菓子やハーブティーなどにも注意が必要です。甘草は多くの漢方薬に含まれるため、甘草入りの食品をよく摂ると知らないうちに摂取量が増える可能性があります。
たまに楽しむ程度なら過度に心配しすぎる必要はありませんが、甘草を含む漢方薬を飲んでいる期間はリコリス入りのお菓子や飲み物を習慣的に摂りすぎないよう意識しましょう。
漢方薬の飲み合わせは専門家に相談しよう

漢方薬を安心して服用するために、飲み合わせなどについて医師や薬剤師に必ず相談しましょう。お薬手帳を活用し、病院から処方された薬や市販薬など、今ご自身が飲んでいる薬を記録してから相談するとスムーズです。
「病院の薬は別」「市販の漢方薬だから伝えなくてもよい」と分けて考えず、病院や薬局で漢方薬を購入する際には必ずまとめて伝えましょう。
漢方薬の飲み合わせなどを手軽に専門家に相談したいなら「あんしん漢方」のようなオンラインサービスの利用がおすすめです。スマホひとつで漢方薬に関する相談から購入までできます。
漢方薬を安心して服用するために

漢方薬は自然由来の生薬でできているとはいえ、複数組み合わせたり西洋薬と併用したりしても安全というわけではありません。安全に服用するには、注意すべき飲み合わせを知っておくことが大切です。自己判断で服用するのではなく、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談して正しく服用しましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0308&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=260523











