取材・文/ふじのあやこ

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、その時に感じた率直な思いを語ってもらう。

両親から「女は結婚が一番の幸せ」と刷り込まれ、仕事にハマるまでそれが正しいと思っていた

今回お話を伺った、彩子さん(仮名・42歳)は、38歳の時に結婚。現在は働きながら、都内で夫との2人暮らしをしている兼業主婦です。2人の馴れ初めは職場の先輩後輩で、夫のほうが年齢は8つ下とのこと。義実家は彩子さんに対して、結婚当初から冷たい態度だったと言います。

「理由は私がかなりの年上だからです。夫にはお姉さんがいて、年齢は私の4つ下。結婚の報告に行った時も、あからさまな反対こそしないものの、年齢のことをチクチク聞かれました。今も少し前に親族で集まった時、聞こえるように『わざわざあんな年上をもらわなくても……』と聞こえてきたのが忘れられません」

彩子さんは山梨県出身で、両親と3歳下に妹のいる4人家族。勉強などには無関心な両親だったものの、28歳を超えた辺りから、帰省の度に結婚の催促を受けていたそうです。

「父親は建築関係の職人で、昔堅気な人。そして母親は専業主婦で、言い方が悪いかも知れませんが、狭い世界でしか生きてこなかった人です。両親とも女性の幸せは結婚にあるといった考えの持ち主で、勉強にうるさくなかったのも、そこまで成績が悪くなかったこともありますが、家庭に入れば関係ないと思っていたんじゃないかな。実際に私自身も男性経験がほとんどない時から、いつかは結婚して幸せになるとずっと思っていました。一種の刷り込みみたいなものでしたね……」

その考えが覆ったのは働きだしてから。多忙な仕事だったものの、彩子さんは楽しかったと振り返ります。

「仕事は、編集職に就きました。業務委託で、お給料もとても安かったけど、昔から本を読むことが好きで出版に興味があったんです。就職活動で受けた出版社は全滅して、ようやく輸入雑貨を扱う企業に内定が決まったんですが、たまたま知り合いから声をかけてもらって。激務で寝る間もないほど働きまくっていましたが、それでも楽しかったんですよね」

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