都会で生活する者にとっては「車掌さん」という言葉にはすでに懐古的な響きがあるだろう。だがこの古き佳き佇まいのレザーバッグは、伊予鉄道や広島電鉄、鹿児島市交通局などの車掌さんが今も実際に使用している正真正銘の車掌鞄である。
鹿児島市に初めて路面電車が走ったのは大正元年のこと。以来、100年を超える年月を経て、その鹿児島市にある老舗の工房「丸山革具店」で手作りされているのが本品だ。車掌が日々の業務で頻繁に開閉することを想定して、一枚革にリベット留めを駆使しながら、ひたすら丈夫に作られている。
車掌の業務を考え抜いた構造は、まさしくプロの道具として徹底的に機能性を追求したもの。鉄道ファン垂涎の趣味の品であるだけでなく、質実剛健さは多様な用途で活躍する。
レトロな雰囲気を醸し出すアクセサリーとして、近場を散歩するときに肩にかけて出かけるのも楽しい。手回り品を収納できる容量も十分、使い込むほどに革のエイジングが進み、さらにリアルな質感となる。
実用本位の業務用鞄。その無骨な佇まいは、なぜだか男心を熱くする。
【今日の逸品】
車掌鞄
丸山革具店
19,440円(消費税8%込み)