膀胱炎や排尿トラブルに悩んでいる方へおすすめの漢方薬「竜胆瀉肝湯」【薬剤師が教える漢方薬辞典】

頻尿や排尿時の痛みなど、不快な症状が続く膀胱炎。
抗生物質だけでなく、体質や体調に合わせて症状を和らげる漢方薬に注目が集まっています。

今回は、そんな膀胱炎に悩む方へおすすめの漢方薬「竜胆瀉肝湯（りゅうたんしゃかんとう）」を、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇 純子さんに教えてもらいました。

竜胆瀉肝湯はどんな方におすすめ？

竜胆瀉肝湯は、とくに体に熱がこもりやすいタイプの膀胱炎に適しています。
次のような症状や体質の方におすすめです。

１．排尿時に痛みや違和感がある方

膀胱に炎症があると、排尿のたびにツンとした痛みを感じることがあります。
竜胆瀉肝湯は炎症を鎮める働きがあります。

２．尿が濃く、にごりが強いと感じる方

体に熱がこもっていると、尿が濃くなり、にごりやすくなる傾向があります。
この漢方は肝・胆・膀胱の“熱”を下げる作用があるため、尿の状態の改善にもつながります。

３．イライラしやすく、のぼせやすい方

ストレスや体質で「気が停滞しやすい」タイプは、膀胱炎が慢性化しやすい傾向があります。
竜胆瀉肝湯は、気の巡りに働きかける効果も期待できます。

竜胆瀉肝湯と併せて行いたいセルフケア

竜胆瀉肝湯は膀胱の炎症を和らげるのに役立ちますが、再発を防ぐためには日常生活でのセルフケアも大切です。体内の熱や余分な水分をうまく調整し、膀胱に負担をかけない生活を意識しましょう。

１．こまめな水分補給

膀胱炎の予防・改善には、こまめな水分補給が基本です。１日あたり1.5〜２リットルを目安に、少しずつ水を飲むことで、膀胱内の細菌を洗い流す効果が期待できます。とくに朝起きたときや排尿を我慢した後など、タイミングを意識するとより効果的です。

２．下腹部を冷やさない工夫

体の冷えは血流の滞りを引き起こし、膀胱の炎症が長引く原因になります。おなかや腰回りを冷やさないように心がけ、冷房の効いた室内では腹巻やひざ掛けなどを活用しましょう。入浴でしっかり体を温めるのもおすすめです。

３．ストレスをためこまない

ストレスや過労は自律神経の乱れを引き起こし、排尿リズムの乱れや炎症の悪化を招くことがあります。意識的に深呼吸をしたり、散歩やストレッチなどの軽い運動を取り入れたりすることで、心身をリラックスさせる時間を持ちましょう。

これらのセルフケアを続けることで、竜胆瀉肝湯の効果をより実感しやすくなります。

竜胆瀉肝湯に副作用はある？　安心して服用するには

竜胆瀉肝湯は比較的安全な処方ですが、人によっては体質に合わないこともあります。

【主な副作用】
・胃の不快感
・下痢や軟便
・のどの渇き、尿量の増加

これらの症状が気になる場合は、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

漢方薬は「誰にでも同じように効く」ものではありません。
自分の体質や現在の症状に合った処方を選ぶことが、効果的で安全な使用のポイントです。

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繰り返す膀胱炎は、体質改善が最適！

膀胱炎は、再発を繰り返しやすい不調の一つ。
体の中にある熱や湿を整えることで、根本から改善を目指すことが可能です。
排尿トラブルに悩んでいる方は、ぜひ一度「竜胆瀉肝湯」を取り入れて、体質からの見直しを検討してみてください。

＜この記事の監修者＞

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イラスト：にゃたり