はじめに-高岳とはどのような人物だったのか

高岳(たかおか)は、徳川家斉(いえなり)の時代に大奥の筆頭老女を務めた人物です。大奥内外で絶大な影響力を持ちました。その活動は大奥の内務にとどまらず、一説には幕政にも深く関与していたともいわれています。特に、田沼意次や松平武元(たけちか)といった幕府の有力者たちとも対等に渡り合い、両者の間で巧みにバランスを取ることで、幕政における独自の存在感を示したようです。

大奥は将軍家の内側に位置しながら、外部の幕政に影響を与える重要な場でもありました。その中で高岳は、筆頭老女として大奥をまとめると同時に、将軍家の養子縁組や幕閣人事においても大きな役割を果たします。

そんな高岳ですが、実際にはどのような人物だったのでしょう。史実をベースに紐解きます。

2025年NHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、大奥を存続させる使命を背負った最高権力者(演:冨永愛)として描かれます。

高岳
高岳

目次
はじめに-高岳とはどのような人物だったのか
高岳が生きた時代
高岳の生涯と主な出来事
まとめ

高岳が生きた時代

高岳が生きた時代は、江戸幕府が社会や経済の転換期を迎えた重要な時期でした。田沼意次のような積極的な政策を掲げる人物が台頭し、幕政が新しい方向に動き始めました。

その一方で、天明の大飢饉などの災害や社会不安が広がり、幕府の安定が揺らぐ局面もありました。こうした変動の時代において、高岳は、大奥を中心に幕府の政治に影響を与えたのです。

高岳の生涯と主な出来事

高岳の生没年は不詳です。歴史的な記述はあまり残されてはいませんが、残された情報から高岳の生涯を、紐解いていきましょう。

大奥での台頭と筆頭老女への昇進

高岳は、宝暦期(1751~1764)には大奥の御年寄であった松島局に次ぐ実力者として活動していました。その後、明和期(1764~1772)に入り、大奥の筆頭老女に昇進。

高岳は、大奥の運営において優れた手腕を発揮し、多くの女中たちをまとめ上げると同時に、幕府内外の要人たちとも連携。田沼意次や松平武元のような有力者たちとの交渉を通じて、大奥を政治的な力の一部として機能させたようです。

明治時代に描かれた、大奥。
大奥の生活は記録や口外が禁止されていたため、未だ詳細はわかっていない。
楊洲周延『千代田大奥 御花見』,具足屋 福田熊次郎,明治27
(国立国会図書館デジタルコレクション)
https://dl.ndl.go.jp/pid/1302650

松平定信の老中就任と高岳の退任。次ページに続きます

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