ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。
「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。
今回のテーマは、「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇純子さんに教えてもらいました。
柴胡加竜骨牡蛎湯はどんな方におすすめ?
柴胡加竜骨牡蛎湯が向いている方の体質や悩みを3つご紹介します。
1.体力が中等度以上の人
柴胡加竜骨牡蛎湯は、生活に支障がない普通の方に向いている漢方薬です。
体力とは病気への抵抗力(いわゆる免疫力のレベル)や、現在の体力の状態などを目安にしています。
柴胡加竜骨牡蛎湯は中等度以上なので、通常の生活をするのに問題がない程度の体力がある、幅広い人に向いている漢方薬ということです。
2.神経症や不眠の人
高血圧に伴う不安や動悸、不眠などの症状がある人にも向いています。
体内のエネルギーの流れが滞ったり逆流したりすることで過敏になった神経を落ち着かせ、イライラや不安、動悸などの症状を緩和します。
柴胡加竜骨牡蛎湯とは?
柴胡加竜骨牡蛎湯とはどのような漢方薬か、効能・効果、基本の飲み方について解説します。
1.効能・効果
柴胡加竜骨牡蛎湯は、体の炎症や機能が過剰に働いている状態をしずめる「柴胡(サイコ)」と「黄ごん(オウゴン)」や、気分を落ち着ける「竜骨(リュウコツ)」と「牡蛎(ボレイ)」、おだやかな発散作用のある「桂皮(ケイヒ)」、胸のつかえ感などをおさえる「半夏(ハンゲ)」など、10種類以上の生薬で構成されています。
体内のエネルギーの巡りを整え、体にこもった熱を覚ますことで、神経の高ぶりをしずめて不安や動悸、不眠などの症状を緩和します。便秘や小児夜泣きにも用いられる場合があります。
2.基本の飲み方
柴胡加竜骨牡蛎湯は、食前(食事の約30分前)または食間(食事から約2時間後の空腹時)に水やぬるま湯で飲んでください。
飲み忘れた場合は、気づいたときに1回分飲み、2回分以上をまとめて服用するのは避けてください。次の服用まで時間が短いときは、1回分を飛ばしましょう。用法用量を守って服用してください。
柴胡加竜骨牡蛎湯に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は、一般的に西洋薬より副作用が少ないといわれていますが、絶対に起こらないわけではありません。
柴胡加竜骨牡蛎湯で起きる可能性のある症状は以下があります。
・皮膚の発疹・発赤、痒み
・下痢
・腹痛
まれに、間質性肺炎や肝機能障害など重篤な症状が起こることもあります。
もし、上記のような副作用が疑われる症状があらわれた場合は、服用を中断して医師に相談してください。また、1か月以上服用しても症状がよくならない場合も、医師または薬剤師に相談してください。
漢方薬を選ぶ際にはご自身の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。
そのため、購入時には漢方に精通した医師や薬剤師等に相談し、ご自身に適した漢方薬を選んでもらいましょう。
「病院に行く時間がない」「手軽に漢方薬を活用してみたい」という人には、スマホで気軽に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。
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イライラからくる不眠に「柴胡加竜骨牡蛎湯」
柴胡加竜骨牡蛎湯は、イライラからくる不眠や動悸などの症状がある方に適している漢方薬です。体の熱を覚まし脳の興奮を落ち着かせ、不調を緩和します。
さて、次回は「喉のはれと止まらない咳が気になったら『桔梗湯(ききょうとう)』」です。ぜひご覧ください!
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