みなさんは「マンダラチャート」をご存知でしょうか? マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp)」で、マンダラチャートをビジネスで利用するための知見を得ましょう。
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仏教の曼荼羅図から発想され開発されたマンダラチャートは、大リーガー・大谷翔平が使用していたことでも知られるフレームワークです。
マンダラチャートは、目標達成の他にもさまざまな目的で使えるツールとして、ビジネスシーンでも注目されています。マンダラチャートがどのようにビジネスで活用できるのか、具体的な活用方法と実際に企業が導入して成功した事例を紹介します。
大谷翔平選手も実践したマンダラチャートとは
マンダラとは、仏教用語である曼荼羅が転じた言葉で、体系的・幾何学的なデザインを意味する言葉です。仏教の世界観を可視化した絵図を曼荼羅図と呼びますが、主尊の大日如来を中心にその周囲を諸仏諸尊が取り囲んでいる様子が描かれています。
これになぞらえて、1つの課題を中心に複数の要素を配置したものがマンダラチャートです。マンダラチャートは、大リーグで活躍する大谷翔平が使用していたことで話題になりました。日常生活や学習、スポーツ、ビジネスなどにおいて目標達成のために使われています。
マンダラチャートをビジネスに取り入れると得られる効果
マンダラチャートはさまざまなシーンで役立つツールで、ビジネスシーンでも活用されています。ビジネスにマンダラチャートを取り入れるとどのような効果が生まれるのか、押さえておきましょう。
目標を明確化できる
マンダラチャートでは、1つの目標を達成するために何が必要か、何をすべきかを洗い出します。
その過程で自分の設定した目標への理解が深まって、解像度が上がります。目標を明確化することは、達成への第一歩といえるでしょう。
部署内で1つの目標を達成したい場合は、メンバー同士の認識のずれも回避可能にもなります。
目標達成までの道筋を具体化できる
明確になった目標に対して、どのようなアクションが必要かをマンダラチャートに記入していきます。
マンダラチャートには具体的なアクションを記載するため、どのような道筋で目標達成に向かえば良いのかが可視化できるようになるはずです。
ビジネスシーンにおけるマンダラチャートの活用方法
マンダラチャートは自分の思考を整理できるツールでもあるため、ビジネスにおいてさまざまな目的で活用できるものです。具体的にどのように活用できるのか、6つの例を紹介します。
1.目標を管理する
マンダラチャートが一番使われているのは、目標管理のためです。個人目標管理にもチーム目標管理にも使えます。
●個人の目標を管理する
自分の目標を設定してマンダラチャートの中心に記載します。その後、達成のために取り組むべきことやテーマ、具体的な施策を周囲のマスに書いていきましょう。周囲のマスに書かれたことを基に行動することで、目標達成に近づけます。達成した項目にチェックを入れれば、現在の進捗も把握可能に。
ただし、すべての施策やアイデアを一度に実践するのは難しいため、優先順位をつけて取り組む必要があります。すべての施策を実践できなくても、マンダラチャートにあらかじめ書いておけば、目標達成までに障害が発生した時に次に行うべき手段のヒントが得られます。
目標達成後は、マンダラチャートを使って振り返りを行います。自分の目標の立て方や達成の仕方を見直すきっかけになるかもしれません。
●チームの目標を管理する
チームで1つの目標達成を目指す場合にマンダラチャートを使うと、チームメンバー同士の認識をすり合わせやすくなるメリットがあります。
チームの目標が抽象的なものであっても、目標達成に向けた施策やアイデアなど具体的な要素に分解できるため、達成へ向けた施策の方向性やビジョンなどの認識が統一できるでしょう。
注意点は、行動やタスクはできるだけ具体的に記入すること。項目ごとに期限や優先順位を記載して、達成した部分には日付を入れるなどすると、モチベーション維持にも役立ちます。
2.スケジュールを管理する
マンダラチャートは、スケジュール管理にも使えます。
最初に、中心のマスに1週間の目標を書き込みます。他のマスには月曜日から日曜日までに行うことを記入。その週にやるべきことが明確にできます。余った1マスは空欄でも構いませんが、翌週の作業をメモしておいたり、振り返りを記入したりして活用するのもおすすめです。
3.To Doリストとして使う
マンダラチャートをTo Doリストとして活用すれば、1週間や1か月などの期間内でやるべきことを可視化できます。
ポイントは、やるべきことと一緒に期限を書き込むこと。今、自分がやらなければならないことが整理できるようになります。
4.課題を解決する
マンダラチャートを使って業務や経営上の課題を考えれば、解決に役立ちます。
中央のマスに根本的に解決したい課題を記入して、他のマスに課題の原因になっているものを書き出してください。さらに、8つの原因をそれぞれマンダラチャートの中心にして、周囲に解決策を8つずつ書き出します。
マンダラチャートを活用すれば課題を深堀でき、具体的にやるべきことがリストアップされます。優先順位をつけて、1つずつ課題解決のための施策を実践しましょう。
5.新しいアイデアを創出する
新しい商品や企画を考える際に、マンダラチャートを使ってアイデア出しができます。
メインテーマを中央のマスに書き、周囲の8マスに連想する言葉を記入しましょう。具体的なアイデアではなく連想する言葉を書き連ねるだけでも、新しい気づきが生まれるかもしれません。
マンダラチャートはすべてのマスを埋めるというルールがあるため、マスを埋めるために柔軟な発想でアイデアを出しやすくなります。
6.事業の計画を立てる
マンダラチャートは、事業計画策定にも使えます。
新規事業の目的を明確化したり、新規事業立ち上げに必要なタスクを可視化したりするのに役立ちます。また、マンダラチャートを活用して事業計画書の作成も可能です。
一般的な事業企画書の場合、ページ数がふくらんで伝えたいことが上手く伝わらないこともあるでしょう。マンダラチャートを使えば1枚で事業計画書を表せるので、一目で全体像を把握でき相手に伝わりやすい事業企画書になります。
マンダラチャートを活用した企業の成功事例
さまざまなビジネスシーンで役立つマンダラチャートは、全社的に取り入れて成功をおさめている企業も多数あります。ここでは、マンダラチャートを活用した企業の成功事例を紹介します。
株式会社喜多村:問題を可視化
受託粉砕加工サービスを主力とする株式会社喜多村では、社内の問題収集のためにマンダラチャートを活用しています。
まず中央のマスに製品名を入れて、8つのマスに粉砕・分級・投入・回収・充填・保管・検査・測定の業務名を記入します。さらに、業務名を中心にして、その周囲にそれぞれ抱える問題を記入するという方法です。
1つの製品を作るにあたってさまざまな工程と業務があり、それぞれのフェーズで問題を抱えていることは少なくありません。
マンダラチャートの活用によって、体系的な問題の洗い出しにつながり、問題を可視化、従業員の問題発見能力が向上して、業務品質の改善につながった事例です。
株式会社ビーラブカンパニー :従業員の人生ビジョンをクリアに
SNSでのPR支援をメイン事業とする株式会社ビーラブカンパニーは、経営計画の研修合宿でマンダラチャートを活用しています。
従業員が充実した人生を築くことが企業全体の健全な成長につながると考えているビーラブカンパニーは、従業員にマンダラチャートで人生計画を立てさせています。
自分を中心マスとして健康、仕事、経済、家族、社会、人格、学び、遊びの要素を周囲に記載。マンダラチャートを活用した人生計画は、従業員が自分の人生のビジョンをクリアにする手助けをしてくれるでしょう。
仕事だけに捉われることなく、バランスの取れた生活に向けて意識を高めて自己の人生を重視する姿勢が、従業員個人の幸福感やワークライフバランスにつながっているのではないでしょうか。
医療法人医仁会 武田総合病院:研修で共有し気づきを得る
医療法人医仁会 武田総合病院では、看護職員が目指す看護師像やキャリアプランについてマンダラチャートを作成し、業務研修会場に掲示しました。目的は、自分が大切にしている、これからも大切にしたいことを知るためです。
研修の受講者は他の受講者のマンダラチャートを閲覧し、他者のキャリアプランや行動計画を知ってさまざまな気づきを得たそうです。
マンダラチャートの活用によって、看護職員の多角的な視点を養え、患者とのコミュニケーションやチームワークに活かせています。
まとめ
マンダラチャートは、ビジネスシーンでさまざまな活用が可能です。経営目標達成のための具体的な行動や施策が明確になるだけでなく、新たな事業創出にも役立つかもしれません。活用方法に決まりはないので、自分なりの使い方を見つけてみてはいかがでしょうか。ぜひ、自社の目標達成やタスク管理にマンダラチャートを役立ててください。
【この記事を書いた人】
識学総研 編集部/株式会社識学編集部です。『「マネジメント」を身近に。』をコンセプトに、マネジメント業務の助けになる記事を制作中。3,000社以上に導入された識学メソッドも公開中です。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/
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