先の見えない経済状況。独立して起業しよう、と考える人もおられることだろう。マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp/)」から、起業のための知見を得よう。

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突然ですが、下記のような疑問を感じてはいませんか?

「起業するにはどうすればいいの?」
「起業したいけど、何も知らないしどうすればいいかわからない……」
「起業するにはどのくらいのお金が必要になるの?」

新会社法によって株式会社や合同会社の登記費用が低くなり、コスト面や手続き面で気軽に会社を設立できるようになりました。これにより、資本に乏しい個人や小規模事業者でも前向きに起業できるようになっています。

そして実際に、日本の起業数の推移は増えつつあるのです。例えば、2012年に新たに設立された会社の総数は10万4,044社でしたが、2020年には13万1,238社となっており増加傾向にあることがわかります。

このように起業する人が増えていますが、実際に起業するにはどうすればよいのでしょうか?

そこで本記事では起業するために必要な知識や起業するために考えておくべきこと、起業に必要な費用などを解説していきます。

そもそも起業とは?

まず、そもそも起業とはどのようなことを指しているのかを正しく把握しておきましょう。

起業とは、「新しく事業を起こすこと」を指しており、社会に対して新しい製品やサービスを提供することです。現代は非常に便利で快適な時代になりましたが、それでもまだ不便な部分や構造的な問題を抱えている部分も存在します。

そうした不便や問題を解決するために、新たなサービスや製品を提供する事業を起こすことが「起業」であり、そうした人を「起業家」と呼びます。

私たちが当たり前のように利用しているモノやサービスも、誰かが提供してくれているものであり、その事業に取り組む起業家のおかげなのです。

起業家がいなかったら

今や誰しもが持っているスマートフォンですが、これもスティーブ・ジョブズという起業家がガレージで「Apple」を創業していなければ、私たちは未だにガラケーを使っていたかもしれません。

スティーブ・ジョブズは「テキサスのおばさんでも使えるデバイス」を目指してiPhoneを作ったと言われていますが、それほどまでに使いやすいデバイスをつくったことでジョブズは世界にイノベーションを起こしたのです。

また、「ポチる」だけで家にいながら商品を購入できるAmazonも、かつてはジェフ・ベゾスがガレージで起業した会社です。

このように、現在では当たり前のように使っているサービスでも、かつては誰も知らないところでひっそりと誕生していたように、あなたが起業した会社もいつしか社会に大きく貢献できるかもしれません。

【起業するには?】まず考えておくべきこと

それでは起業する方法を解説する前に、まずは考えておくべきことを紹介します。

何も考えずに起業しても、中身が伴わないためすぐに失敗してしまうでしょう。したがって、下記の4つの質問に答えるかたちで起業へのイメージを固めておくことが重要です。

1.なぜ起業したいのか?
2.何を、誰に対して行うのか?
3.どのような形態で起業するのか?
4.どうやって資金を集めるのか?

それでは1つずつ解説していきます。

なぜ起業したいのか?

まず考えるべきことは「なぜ起業したいのか?」という点です。

従来に比べて気軽に起業できるようになったとは言え、起業は社会的責任が伴う行為であり、遊びではありません。したがって、「自分はなぜ起業したいのか?」「起業して社会をどうしたいのか?」といった確固たる軸を持つ必要があります。

例えば、今あなたが会社で正社員として仕事をしているのであれば、

会社を辞めてまで本当に起業するべきなのだろうか?
副業や趣味ではなく起業してまでやりたいことだろうか?
といった点を慎重に吟味する必要があるでしょう。

こんな理由はNG
「なんとなくカッコいい感じがするから」
「社長になれば楽にお金が稼げそうだから」
「とりあえず今の会社を辞めたいから」

といった理由で起業を考えているのであれば辞めた方がいいでしょう。

上記のような理由で起業してもビジネスの軸が曖昧なままであり、すぐに失敗する可能性が高いからです。また、もし成功したとしても「お金は稼げるけど幸せではない」や「楽しいけど稼げない」という事態に陥るかもしれません。

起業はあくまでも「手段」であり、起業そのものは「目的」ではないことに注意しましょう。

何を、誰に対して行うのか?

続いては、具体的にどのような「何を、誰に対して行うのか?」といったビジネスのアイデアを考えていきます。

現代はすでにあらゆるビジネスが展開されており、規模の大きな企業がシェアを握っているため、簡単に思いつくようなビジネスをしても競争に負けてしまうでしょう。

したがって、起業する際には新たなアイデアを考えたり、事業の顧客となるターゲットを明確化していくことが重要になります。

誰のどのような需要を満たし、どのような商品やサービスを提供するのかがハッキリしていなければ、競争では勝てません。

ビジネスアイデアの探し方

とはいえ、新たなビジネスアイデアは簡単に思いつくようなものではありませんよね。

そこで、ビジネスアイデアを考えるいくつかのポイントをご紹介します。

・すでにある商品やサービスの不満点を解消できないか?
・すでにある商品やサービスを組み合わせられないか?
・「めんどくさい」を解消できるものはないか?
・これから伸びる業界はどこか?
・海外で流行っていることやビジネスを応用できないか?

こうしたポイントを意識してビジネスアイデアを考えていると、意外とアイデアが湧いてくるものです。常に疑問を持ちながら生活して、ビジネスのヒントになるものを探すことが重要になります。

どのような形態で起業するのか?

続いては起業する形態を決めましょう。

起業するには個人事業主として起業する場合と、法人を設立する場合があり、それぞれにメリット・デメリットがあるため、自身に最適な方法を選ぶことが重要です。

メリットデメリット
個人事業主手続きが比較的簡単税金の計算が法人より容易
法人設立社会的信用が得られる
節税効果がある
手続きが煩雑
経理や税務には専門的な知識が求められる

個人事業主のメリット・デメリット

個人事業主として起業する場合、手続きが法人よりも簡単である点がメリットです。納税地を所轄する税務署に「個人事業主の開業・廃業等届出書」を提出するだけで手続きが終わり、登記などの手続きやそれに伴う費用は必要ありません。

また、税金の計算が法人よりも容易であることもメリットです。個人事業主であれば確定申告で税金を納めますが、青色申告で確定申告をすることで65万円の特別控除を受けられます。

しかし、個人事業主は社会的信用が低いことがデメリットとして挙げられます。

法人設立のメリット・デメリット

法人設立の最も大きなメリットとしては、個人事業主とは対象的に社会的信用が得られることが挙げられます。社会的信用があればクライアントとの取引や銀行からの借り入れなどもスムーズに行えるでしょう。

しかし、法人設立は設立手続きが煩雑である点がデメリットです。法人設立をするには公証人役場、法務局、税務署、年金事務所、労働基準監督署で下記のような手続きを行わなければなりません。

1.定款を作り、公証人役場で認証を受ける
2.法務局で設立登記をする
3.税務署に法人設立届出書を出す
4.年金事務所で厚生年金保険加入の手続きを行う
5.従業員を雇う場合は、労働基準監督署で労働保険加入をする

どうやって資金を集めるのか?

まとまった額の自己資金をあらかじめ用意してから事業を始めるのが良いでしょう。

自己資金だけでは不十分な場合は、下記のような方法で外部からの資金調達をする必要があります。

・日本政策金融公庫や制度融資などで融資を受ける
・クラウドファンディングを活用する

それでは1つずつ解説していきます。

日本政策金融公庫や制度融資などで融資を受ける

外部からの資金調達をする際は、日本政策金融公庫や制度融資などを活用するのが良いでしょう。

日本政策金融公庫とは、国の政策のもと、民間金融機関の補完をしながら社会のニーズに対応して政策金融を機動的に実施することを目的とした金融機関です。

簡単に言うと、少額の支援で規模の小さい企業を支援してくれる機関となります。なかでも「新創業融資制度」を使うことで実績がない企業に対しても無担保・無保証で3,000万円までの融資を受けられるのです。

また、制度融資とは、地方自治体や金融機関、信用保証組合が連携して提供する融資を指しています。

主に中小企業や小規模事業者の資金調達をサポートすることが制度融資の目的であり、長期・低金利で借入可能なので、起業したての会社や資金が必要な人にとっては欠かせない制度と言えるでしょう。

(参考:新創業融資制度丨日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/04_shinsogyo_m.html

クラウドファンディングを活用する

近年、注目を集めている資金調達方法がクラウドファンディングです。

クラウドファンディングでは、自社が行う事業や提供を予定している商品・サービスの将来性や利便性をアピールすることで、それに共感・応援してくれる不特定多数の人々からインターネットを介して少額ずつ資金を調達する方法です。

資金調達といえば、上記で解説したように金融機関から融資を受ける方法やベンチャーキャピタルからの出資をイメージする人が多いかもしれませんが、クラウドファンディングの場合はそれらの資金調達にはない「手軽さ」や「拡散性の高さ」などがメリットといえます。

【起業するには?】起業する際に必要な費用

ここまで起業するために考えておくべき4つのポイントを見てきました。

起業する際に考えておくべきことのなかでも、最も重要なことは「お金」に関することです。したがって、ここでは起業するには「何にどれだけのお金が必要なのか?」という点について見ていきましょう。

会社設立登記に必要なお金

株式会社を設立する場合には、設立登記をする必要があります。その際に必要なお金は下記のようになっています。

項目費用
定款に貼付する収入印紙代4万円
定款の認証手数料5万円
定款の謄本手数料およそ2,000円

この3つと合わせて登録手続きをする際に必要な登録免許税も必要になります。登録免許税は資本金額の70%が税率となっていますが、最低でも15万円かかるため気をつけておきましょう。

したがって、これらを合わせると起業する際には、合計でおよそ25万円の税金が必要になります。

会社設立の代行費用

上記のような煩雑な手続きなど、会社設立を代行してもらうことも可能です。

その場合は自分で手続きをするよりもおよそ3万円ほど安くなることがあります。なぜなら、代行業者は電子定款で登記をするので収入印紙代がかからないためです。

自分で電子定款を作ることもできますが、ICカードリーダーや専用のソフトが必要になるためおすすめはしません。

【起業するには?】起業してから必要になる費用

起業までにおよそ25万円ほどかかりますが、当然、起業してからも下記のような用途にお金がかかります。

・オフィスの賃料
・事務用品関連費用
・広告関連費

それでは1つずつ解説していきます。

オフィスの賃料

オフィスが必要であれば、一般的な賃貸住宅と同様に契約を結んでオフィスとして使います。住宅と同じように場所や広さによって賃貸料金は変わりますが、仲介手数料や敷金・礼金などが不要な場合もあります。

一方で自宅で仕事をする場合はオフィスは必要ないため、費用を大きく抑えられるでしょう。しかし、自宅をオフィスにした場合は銀行口座を開設できなかったり、社会的信用が得られない可能性があります。

事務用品関連費用

オフィスの賃料だけではなく、事務用品関連費用も必要です。

・デスク
・チェア
・パソコン
・プリンター
・文房具

といった事務用品が必要になります。

広告関連費

起業したあとには必要最低限の広告関連費がかかります。起業したての実績のない起業は、当然ですが誰にも知られていないため、仕事を貰うためにも広告を打たなければなりません。

また、

・企業ロゴ
・名刺
・自社サイト

などを作るのにかかる費用も広告関連費であり、必要最低限でもいいので作成しておくと信頼感を持たれやすくなるでしょう。

ロゴの作成については数万円から5万円ほど、名刺は数万円で作成できますが、自社サイトの作成には数十万円ほどかかる場合があります。

まとめ

ここまで起業するために考えておくべきことや知っておくべきこと、必要な費用などをみてきました。

起業する際に失敗しないためには、まず起業する目的を明確にしておくことが重要です。その後、どのようなビジネスを行うのか、また事業のターゲットやサービスのニーズについても、ハッキリさせておきましょう。

全てを一人で背負って決める必要はありません。ときには友人や専門の機関や企業に相談することも必要になるでしょう。

その際は商工会議所や中小企業支援センターなどが相談や手続きを手伝ってくれるため、遠慮せずに気軽に足を運んでみてください。

【この記事を書いた人】
さかした/ライター・編集者 読書と健康と猫が好きなフリーライター。 アフィリエイトサイトやアドセンスブログの立ち上げ・運営・記事の執筆を行っていたが、現在はフリーライターとして活動。 得意な分野は健康・教養・ビジネス・自己啓発など。

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いかがだったでしょうか。起業のプロセスがおわかりいただけたでしょうか。独立・起業をお考えの方の参考となれば幸いです。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/

 

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