「うまさぎっしり新潟」のキャッチフレーズで観光推進を展開している新潟県。多彩な表情を持つ新潟の、訪ねてみたい魅力的なスポットを、4回にわたりご紹介します。

第2回は、新潟駅から徒歩約15分で行ける、沼垂(ぬったり)という地区を訪ねます。

この一帯は、栗ノ木川(現・栗ノ木バイパス)の舟運(北前船)で栄えたエリア。西からは赤穂の塩が運ばれ、北からは大豆や麦が集まり、新潟の米と結びつき、古くから味噌や醤油、酒、納豆などの発酵食品の製造業が盛んでした。

それでは、発酵文化の地・沼垂の歴史の名残をとどめる2つの醸造所をご紹介しましょう。

■1:今代司酒造

1767年創業の「今代司酒造」。江戸時代の蔵を移築し、明治中期から本格操業を開始しました。500石という小さな蔵ながら、2006年からは全蔵純米造りで日本酒を醸しています。

堂々たる外観の酒蔵。

堂々たる外観の酒蔵。

趣のある蔵の中を、酒造りの工程や歴史の話を交えながら丁寧に案内してくれます。

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古い道具や懐かしい器械もある。

古い道具や懐かしい器械もある。

販売と試飲スペース。

販売と試飲スペース。

主な酒米は五百万石と越淡麗。看板商品の「天然水仕込み 純米酒」は食中酒にぴったりの、さらりとした口当たりのお酒で、「ロサンゼルス・インターナショナル・ワイン・コンペティション2014」で金賞を受賞しています。酒蔵見学のあとは無料試飲でその味を楽しんでください。

【今代司酒造】
新潟市中央区鏡が岡1-1
電話/025-245-3231
※見学はなるべく予約。

■2:峰村醸造

日露戦争が終結した年から味噌醸造を開始。大正時代に建てられた土蔵を和モダンな空間にリニューアルし、味噌や味噌漬け、調味料などを販売しています。

モダンな味噌蔵。

モダンな味噌蔵。

味噌の量り売りも。

味噌の量り売りも。

味噌の香りが漂う醸造所内の見学も可能で、しっかりとした味の越後味噌が出来上がる工程をうかがい知ることができます。また、味噌づくり体験なども行い、日本の伝統的な発酵の食文化を伝えています。

【峰村醸造】
新潟市中央区明石2-3-44
電話/025-250-5280
※見学は要予約。

次回は、新潟ワインコーストを形成する5軒のワイナリーを巡ります。

取材・文/関屋淳子
桜と酒をこよなく愛する虎党。著書に『和歌・歌枕で巡る日本の景勝地』(ピエ・ブックス)、『ニッポンの産業遺産』(エイ出版)ほか。旅情報発信サイト「旅恋どっとこむ」(http://www.tabikoi.com)代表。

 

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