文/坂田武士
酵素ドリンクファスティングを実践した人の多くが疑問に思う「酵素ドリンク」って本当にいいの?薬を勧めない薬剤師が語る真実。発売3年で12刷と好評の「4日間で脂肪だけをキレイに落とす本」から、酵素ドリンクファスティングのニセ科学の一部を公開します!
ダイエットをするとき、体重を減らすことだけを目標にしていませんか?
ダイエットしたい理由はさまざまですが、共通して落としたいものは「脂肪」です。つまり、脂肪だけを綺麗に落とし、健康的に痩せることが理想のダイエットではないでしょうか。
ファスティングとは、断食、絶食という意味で、胃腸を休ませることが主な目的です。一般的なファスティングの方法は、酵素ドリンクや野菜や果物ジュースを食事の代わりに置き換える、食事をとらずに水や塩だけをとる絶食など、さまざまです。
特に酵素ドリンクファスティングダイエットは、大ヒットしたファスティングダイエットの1つです。ファスティングという言葉が当たり前のように使われ、ダイエット方法として幅広い世代が知るきっかけとなったのは、酵素ドリンクがヒットしたおかげとも言えます。
しかし、「脂肪」だけを綺麗に落とす、健康的に綺麗に痩せるという理想のダイエットかということには疑問があります。
実際、酵素ドリンクファスティングに挑戦したことのある方からは、空腹感に耐えられない、イライラする、肌が荒れた、一時的に体重が減っただけでリバウンドしてしまったなどの体験談をよく耳にします。
その原因は、体を作るために必要な栄養素や、カロリーを代謝するために必要な栄養素が不足したためです。つまり、体重が減ったとしても、筋肉と水分の量が減るだけで、脂肪だけを落とすことは難しいでしょう。そう、体重を落とすだけのダイエットにはリバウンドの落とし穴があります。
これは、酵素ドリンクが、野菜や果物などを大量の砂糖に漬け込み、発酵させて作られた飲み物だからです。栄養成分表示を見ると、炭水化物(糖質)の量が多く、体の材料になるたんぱく質や脂質は微量だということがわかります。飲みやすくするために、「果糖ぶどう糖液糖」など、脂肪に変わりやすい甘味料が使われているものもあります。糖質がメインのため、空腹時に飲めば血糖値が急上昇、急降下して、すぐに空腹を感じます。血糖値の乱高下は空腹感だけでなく、たんぱく質の不足と合わせて、落としたくないはずの筋肉が落ちる原因となります。
また、酵素をとることがダイエットに有効という説もありますが、そもそも加工食品であるびん詰めの酵素ドリンクの食物酵素は、加熱処理によって失活しているというのが事実です。びん詰や缶詰の食品は長期保存できますが、品質表示基準(JAS法)、食品衛生法などでは、「缶詰、びん詰とは、食品を缶またはびんに詰めて密封したのち、加熱殺菌を施し、長期の保存性を与えた食品である」と定義されています。
ほとんどの食物酵素は、60度以上の熱で活性が失われるといわれます。つまり、加熱殺菌されたびん詰の酵素ドリンクに酵素は生きておらず、残っているのは糖度の高い液体ではないかということ。表示の名称は「清涼飲料水」となっていて、前述した通り、エネルギー源のメインは炭水化物(糖質)になっています。また、食物からとる食物酵素には、消化に働く消化酵素を助ける役目はありますが、体内の酵素を直接増やすわけではありません。体内酵素(消化酵素、代謝酵素)の材料になるのは、たんぱく質です。つまり、酵素ドリンクからとれる食物酵素は、例え活性があったとしても、そのまま消化酵素、代謝酵素になるわけではなく、脂肪が代謝される、燃えやすくなる効果は期待できないことが分かります。
そのことを裏付けるように、2019年3月29日に消費者庁から酵素サプリや酵素ドリンクを販売する企業に対し「酵素等の成分の作用による痩身効果を標ぼうする食品の販売事業者」として、実際に酵素で痩身効果が得られるかのような表示に措置命令がでています。
酵素ドリンクファスティングは、胃腸を休ませることだけが目的であれば、従来通りのファスティングとして選択される方もいるかもしれません。しかし、もしダイエットとしてファスティングを選ぶのであれば、自分史上最高の体に導く、最適・最善・最高の体質改善プログラム「オプティマムファスティング」に勝るものはないと確信しております。私の夢である「日本の死因第1位を老衰死にすること」、そのために何ができるかをいつも考え、行動している中で、オプティマムファスティングは開発されました。消化器官を最大限休めながら体が喜ぶ栄養だけをとることで、筋肉量をキープし、まさに脂肪だけを落とすことができる理想のダイエット法です。ご興味ある方は、著書『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本』を是非手にとってみて下さい。
坂田武士 一般社団法人日本予防医学マイスター協会代表理事。株式会社サムライフ代表取締役。薬剤師、予防医学マイスター(R)、予防医学士(R)、オプティマムファスティング(R)コーディター、スポーツファーマシスト。
昭和大学薬学部を卒業後、薬剤師免許を取得。医療、介護の現場に10年携わる中で予防医学の重要性を感じ、2006年に独立。薬を勧めない薬剤師として個人・法人のお客様に対して独自のオーダーメイドカウンセリングを提供。現状把握から、病気や不定愁訴の原因を追求し、効果的な対策と具体的な実践の提案、継続したフォローにより、病気や寝たきりにならない生き方を推奨している。筋肉を維持して脂肪だけを落とす「オプティマムファスティング」は、健康・美容業界のプロの間でクチコミで広がり、便秘外来や整形外科のクリニックやエステサロン、プロスポーツ選手などにも取り入れられている。予防医学は価値ある生き方の啓蒙、日本の老衰死を死因の第一位にするためにセミナー講師としても全国で講演活動中。
『4日間で脂肪だけをキレイに落とす本』