あ~、仕事辞めたい…。毎日、せわしなく働いている中で、誰しも一度は思い悩んだことがあるのではないでしょうか? そこで、日本労働調査組合(https://nichirou.com/)が、退職・転職に関する労働者のイマを調査するため、全国の20歳以上の会社員、男女528名を対象に「仕事の退職動機に関して」のアンケートを実施しました。置かれている状況は人それぞれですが、どんな事で仕事を辞めたいと思ったのでしょうか。リアルな声とともにご紹介します。

■仕事を辞めたい、転職の意向がある会社員は35.8%

▷仕事を辞めたいと考えていますか? もしくは転職を検討していますか?

「退職・転職の意向あり」が35.8%、「退職・転職の意向なし」が64.2%の結果となりました。

2021年1月分の労働力調査(総務省統計局発表)による、「役員を除く雇用者」の実数は5,610万人。アンケート結果をそのまま当てはめると、意向ありは2,008万人、意向なしは3,601万人となります。2019年の転職者数は351万人(総務省統計局発表)で、退職・転職予備群は、転職者数の約5.7倍いることが想定されます。

▷仕事を辞めたいと考えている理由は?

1位(同率) 職場の人間関係(38.6%)
1位(同率) 評価・待遇に不満(38.6%)
3位 仕事の進行が非合理(26.5%)
4位 他にやりたいことがある(24.3%)
5位 仕事の量が多い(22.2%)
6位 コロナ対策・環境不安(20.1%)
7位 残業が多い(17.5%)
8位 通勤・通勤時間(12.7%)

以下、「有休が取りづらい」(12.2%) 、「業務時間外活動が多い」(9.0%) 、「職場外の人間関係」(6.9%)という結果になりました。

退職動機の上位3位は社内に起因するネガティブな要因で、従業者側からすれば、どのように解決への働きかけを企業側に行うべきなのか、意思表示が難しい問題です。企業側からすれば、改善への取り組みは、日々、人事や総務で行っている内容と考えられますが、どのように従業者に向き合い状況の情報提供を行うか、理解を得ていくかの社内コミュニケーションの重要度が、より高まっている結果を示しています。

▷仕事を辞めたくなったエピソードは?

【職場の人間関係】
・上司は、効率よく一つずつ仕事をやれと言うだけで助けてくれない
・チャットツールを導入したら、仕事の依頼が頻繁に来て、精神的苦痛を感じるようになった
・ミスコミュニケーションによる対処に、想定外の時間を要して、休日・夜間対応が必要になった
・自分の担当業務が終わっても、時間外にヘルプをやらされる

【評価・待遇に不満】
・10年勤めているのに給与が上がらない
・最近入社した人と給与が同額なのに、長く勤めているだけで責任者扱いされて負担が大きい
・給与が上がらないのに、仕事が出来ない人が昇進した分のフォローをやらされている

【コロナウイルス関連】
・コロナ感染症の影響により、業績が急落して給与が大幅削減された
・コロナ禍でも売上は上がっているのに、給付金相当額の固定費を削減された
・リモートワークになって、上司から必要以上にくる連絡がつらい
・会社のコロナに対する意識の欠如

【その他】
・自分にとって面白く、やりがいを感じる仕事が、会社にとって重要視されていないと感じた
・人事のスペシャリストとして入社したが、総務業務がメインになりスキルを活かせない

■辞めたいと答えた5人に1人はコロナによる環境変化

今回のアンケートで、仕事を辞めたいと答えた方の20.1%が、企業のコロナへの対策に起因する結果となりました。

・通勤時の対策等をしてもらえない
・リモートワークで常に上司から監視されている
・売上減に伴う対応に不満

従業者からの、コロナ禍ならではの相談は、会社側からしても判断や対応が難しいところです。今までに誰も体験したことがない状況だからこそ、企業側の対応が求められると伺えます。

■ツラいときは外に出て気分転換を!

退職理由で「職場外(社外)の人間関係」が一番少なく、社内起因によるネガティブな事由が退職動機の上位であることから、業務中に可能な範囲で外に出ることを行うと、リフレッシュでき、職場環境に感じるネガティブ要因も薄められるのではないでしょうか。

コロナ禍で、今はなかなか難しいと思いますが、ランチ時間中の外出はもちろん、営業や視察に出る外出予定を作ったり、企業側からも社内に常駐する業務の社員には、定期的に社外研修や視察業務を推奨することで、ミスコミュニケーションによる望まない退職を防げるかもしれません。

テレワークが導入されていない事業所は、週に数日はテレワークが出来る体制に。フルリモートワークの場合は、カフェやコワーキングスペースでの業務が出来る制度を導入するなど、環境を変えてリフレッシュ出来る制度を推奨するのが良いでしょう。

* * *

一つの会社に定年まで勤める人は、年々、減ってきているようです。会社を辞めたいと思う時、それは、ライフワークを見直す絶好のチャンスなのかもしれません。どのように生きたいのか、節目節目に人生の時間割を上手につくり変えながら、後悔のない道を選択していきたいですね。

【調査名】仕事の退職動機に関するアンケート
【調査対象】20歳以上の会社員、男女528名
【調査地域】全国
【調査期間】2021年3月8日~2021年3月9日
【調査方法】インターネット調査

 

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