リモートワークが浸透してきていますが、家族の生活音で気が散ったり、オンライン会議用のきれいな背景を求めて家中を移動したり… 家の中には仕事するのに適した場所がない、と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで株式会社ビズヒッツ(https://bizhits.co.jp/)が、リモートワークの経験者を対象に「リモートワークをしている場所に関する意識調査」を実施し、そのデータをランキング化しました。
■リモートワークをしている場所1位はリビング
「自宅のどこでリモートワークをしているか」を、質問しました。
回答者の半数以上にあたる264人が「リビング」と答えました。2位は「寝室・自室」で、ワンルームで生活・仕事をしている人も含みます。仕事専用の「仕事部屋・書斎」を使っている人も一定数いましたが、リビングや寝室に比べると、かなり少ない結果でした。
ほとんどの人が「普段生活している空間」を、ワークスペースとして使っていることがわかります。
また、「子ども部屋など、自分以外の部屋を使っている」という人もいました。子どもが学校にいる時間帯に、子ども部屋をワークスペースとして使っている、と推測できます。
■ワークスペースを作った人は24.6%
「リモートワークをきっかけに自宅にワークスペースを作ったか」と質問しました。
「作った」は24.6%と少数派でした。
「以前からワークスペースがあった(15.4%)」と合わせても、専用のワークスペースで仕事をしている人は4割にとどまっていることがわかりました。
■現在のワークスペースに満足している人は46.0%
次に、「現在のワークスペースに満足していますか?」と聞きました。
「満足」が12.2%、「やや満足」が33.8%で、合わせて46.0%の人が「現在のワークスペースに満足している」という結果に。
「不満」「やや不満」を合わせた44.8%をわずかに上回りました。
また、仕事をしている場所別(上位3位)で満足度を比較した結果です。
「仕事部屋・書斎」を使っている51人のうち44人が「満足」「やや満足」と答え、満足度は86.3%。
寝室・自室やリビングで仕事している人たちと比べると、「仕事部屋・書斎」の満足度がいかに高いかがわかります。
■理想のワークスペースランキング
最後に、理想とするワークスペースを聞いてみました。
1位は「仕事専用のスペースであること」となりました。
「仕事部屋・書斎」の満足度が高かったこともあり、予想どおりの結果です。詳しい回答をご紹介します。
【1位 仕事専用のスペース】
・ベッドなどのくつろぐグッズがない、リモートワークだけのためのスペース(20代女性)
・必要なものをそのままの形で置いておける場所。今は食事をするたびに片付けが必要で、急に仕事の確認をしたくてもできない(30代女性)
・1人暮らしの狭い住まいでも、仕事とプライベートのスペースがちゃんと分けられることが理想(50代女性)
「生活感のあるもの」「気が散るもの」が目に入らない、仕事専用スペースを理想として挙げる人が多くなりました。
「近くにテレビや漫画があると、つい見たくなってしまう」など、在宅ならではの誘惑を断ち切りたいという思いがあるようです。
また、仕事専用のスペースであれば、家族が帰ってくるたび、食事のたびに、パソコンや書類を片付ける手間がありません。
【2位 静か/適度な雑音がある】
・オンライン会議なども行いやすいように、外の音をあまり拾わないようなスペースが理想(20代女性)
・自然の音のみが聞こえる空間(30代女性)
・静かで集中出来て、電話で取引先と話すのも邪魔されない環境が理想です(50代男性)
音についての意見も多く寄せられました。集中するために「静か」あるいは「適度な雑音がある」環境を求める人が多いことがわかりました。
作業中だけではなく、「オンライン会議や電話のときに、周りの声が気にならない環境が欲しい」という回答もありました。
【3位 快適な椅子と机がある】
・今は座椅子だけど、できたらデスクとチェアが欲しい(20代女性)
・椅子の座り心地が悪いので、長時間座っても疲れない椅子があると良い(40代女性)
ソファやダイニングチェア、座椅子などで長時間仕事をすると、腰や背中が痛くなってしまうことも。
家にもともとあるテーブルをデスク代わりにすると、広さが足りないこともしばしばです。「パソコンを使うのに適した椅子と机が欲しい」「オフィスと同レベルのものが欲しい」という希望が多数でした。
【4位 一人になれる】
・子どもに邪魔されないスペース(20代女性)
・一人で仕事に集中できる空間(30代女性)
・話し声等が家族に聞かれない個室が欲しい。特にTV会議の時、家族の動きが気になって仕方がない(50代男性)
仕事中に家族から声をかけられると、集中力が切れてしまいますよね。仕事に集中できる環境が欲しいという意見が多数寄せられました。
一方で、仕事の邪魔はされたくないけれど「家族の存在は感じていたい」という意見もありました。
【5位 適度な広さと収納がある】
・広くて落ち着く場所(20代女性)
・パソコンデスクと椅子が置けるだけの押し入れ程度のサイズの個室が理想です(30代女性)
・色々な書類などがおける棚がそばにあることが望ましい(40代女性)
ワークスペースに求める広さは、人それぞれでした。「押し入れサイズ」「2~3帖程度」の、必要なものにすぐ手が届く広さを理想とする人もいれば、「6帖くらい」「広いスペース」が、希望の人もいました。
***
理想のワークスペースが実現しづらい一方、自宅内であってもオンオフの区別をつけたい人が多いこともうかがえる結果となりました。
リモートワークの普及に伴って、見かけることが増えたホテルの仕事専用プランの利用や、パーテーションで仕切るだけで専用スペースを作るなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。
調査概要
調査対象:リモートワークの経験がある全国の男女
調査日:2021年2月13日~14日
調査方法:インターネットによる任意回答
調査人数:500人(女性301人/男性199人)