働き盛りの世代は健康意識が高く、メタボ対策なども進んでいます。しかし、意識だけが高くてもお肉大好き、飲み会皆勤では、健康改善は遠い話。これに仕事のストレスが加わると、日に日に体調は悪化していきます。生活習慣について、医師・岡田定先生に伺いました。

食事で一番大事なことは腹八分目

病気を早期発見して薬を飲むよりも、人間ドックを定期的に受けることよりも、健康長寿をめざすために大切なことがあります。それは生活習慣です。食事、喫煙、アルコール、運動、睡眠、ストレスの6つを見直し、改善するだけで、快適な生活を手に入れることができるのです。それぞれの改善ポイントを紹介します。

「6項目の中でもっとも重視すべきは食事であり、食事で一番大事なことは、満腹ではなく腹八分目に抑えておくことです。肥満の方は、お腹いっぱい食べないと満足できないという状態から、腹八分目で心地よいと思えるように変える必要があります。もちろん、現代では多くの方が糖質をとりすぎていますから、食べる量と同時に糖質を減らす努力もすれば、目に見えて体重が減り、生活も楽しくなっていきます」

働き盛り世代は肉の食べ過ぎにリスクあり

30代になったら、特に肉のとりすぎにも注意が必要です。

「若いからといって、明らかな肉のとりすぎはNGです。肉を多くとった方は、野菜を多くとった方よりもがんになりやすく、動脈硬化を起こしやすいことは、たくさんの研究により証明されています。植物性の食材は体によく、動物性の食材をたくさんとると体に悪いというのは大原則として知っておくべきですね。適量であっても、肉を食べる時は脂身を食べないなどの工夫が大切です。例外的に、高齢者はフレイル予防として肉をたくさん食べることもおすすめしますが、それを若い頃から習慣化すると、生活習慣病になりやすいといえます」

6つの中で最悪な習慣が喫煙です。

「たばこに起因する健康被害は、がん、動脈硬化による脳梗塞や心筋梗塞、慢性の肺疾患(COPD)と実に様々です。高齢になって酸素療法が必要な方のほとんどは、たばこが原因といわれています。ただ喫煙者に危険を警告しても、事の重大性を認識されないのは残念です。『あなたが倒れたら家族が大変なことになる』といってもわかってもらえません。医療者としてはすぐにでも禁煙外来を受診していただきたいですね。もう一つのアルコールは、適量をたしなむ程度であれば影響がなく、健康にプラスになる部分もあります。問題は毎日大量に飲んでいる方ですね。休肝日という言葉が一般に浸透していますが、これは肝臓を休ませる日というより、1日でも2日でも飲酒をやめることで、トータル量を減らしてもらおうという意味あいの方が大きいのです。さらにアルコールは依存症も危険ですね。1日たりとも飲酒がやめられない方は外来治療の受診をおすすめします」

運動は有酸素的なウォーキングと体操の2種類。体操は筋トレ系とストレッチが大事です。

「ウォーキングは最低でも1日8000歩などといわれますが、何歩歩くかより、歩く習慣をつけることが遥かに大切です。1日1000歩でも、とにかく外に出ることが大事。ウォーキングで気分がよくなることを実感できれば習慣化でき、自然と歩数も増えていきます。嫌だと感じてしまったら止めてしまいますので、楽しく続けてください。働き盛りの年代の方は、可能な距離であれば、最寄り駅の一駅前で降りて自宅まで歩いたり、駅や会社では極力階段を使うこともいいですね。あくまで私見ですが、朝ウォーキングをしますと、頭の回転もよくなり仕事もはかどります。小さくてもいいから、まずは一歩を踏み出すことが大事です」

ストレスは受け止め方で負担が激減

睡眠時間も多くの方が不足気味。日本人の眠りに対する誤った価値観が改善を阻む要因になっています。

「頑張るイコール睡眠を削る、と思ってる方がいかに多いことか。そんな生活を続けていたら、体を壊し、病気になりやすくなってしまいます。実は世界一平均睡眠時間が短いのは日本の女性で、特に都内在住者は6時間を切っているといわれています。適切な睡眠時間は6時間から9時間で、7時間台の睡眠が一番長生きできるというデータもあります。仕事などをして残った時間を睡眠にあてるのではなく、まずは睡眠時間をとって、それ以外を仕事や自分の時間に充てるスケジュールで生活していただきたいですね」

6つ目のストレスについては、受け止め方を変えることで、ストレスの度合いを減らすことが可能といいます。

「アスリートでも周囲の大きな期待がストレスになってつぶれてしまう選手もいれば、期待されていることを楽しむことで好成績につなげる選手もいます。例えばレベル10のストレスがあったとして、Aさんは5ぐらいにしか感じないのにBさんにとっては20に感じることもあります。要は受け止め方でストレスは大きくも小さくもなるということです。ストレスは自分を奮い立たせるメッセージ、あるいは自分に役立つことと受け止め方を転換できれば、大きなストレスを抱えることもなく、ストレスがプラスに転じることにつながります」

お話を伺ったのは……


岡田 定 先生

現・医療法人社団 平静の会 西崎クリニック院長
前・聖路加国際病院血液内科・人間ドック科部長

1981年大阪医科大学卒業。聖路加国際病院内科レジデント、1984年昭和大学藤が丘病院血液内科、1993年からは聖路加国際病院で血液内科、血液内科部長、人間ドック科部長を歴任。2020 年より現職。血液診療に関する著書も多く、現在までに30冊以上を上梓している。

医師のインタビュー記事は、株式会社おいしい健康が運営するメディア「先生からあなたへ」でもご覧いただけます。
https://articles.oishi-kenko.com/sensei/

取材・文/安藤政弘 

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