温かい飲み物がおいしい季節になりました。
みなさんは、飲み物に含まれる糖分を気にしたことはありますでしょうか?
甘いココアやコーヒーは、とてもおいしいもの。
けれど、実はたくさんの糖分が含まれているのです。
意外と多い!
飲み物に含まれる「砂糖」の量
そもそも、糖分は1日にどのくらい摂っていいものなのでしょうか?
世界保健機関(WHO)はガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」において、1日25g程度(テースプーン約6杯分)を推奨。この程度に抑えられると、健康効果が期待できるとのこと。(※1)
そこで、問題です。
コップ1杯分(250ml)のコーラには、どのくらいの砂糖が含まれているでしょうか?
正解は、約30g。
ほかにも、こんな飲み物に、これだけの砂糖が含まれています。(※2)
乳酸菌飲料 約40g
缶コーヒー 約20g
にんじんジュース 約15g
スポーツ飲料 約15g
ミルクココア 約5g
*すべてコップ1杯(250ml)あたりの糖質重量。ミルクココアは1杯6gで算出
こちらの写真。左はコーラに含まれる糖分を角砂糖に置き換えたものです。そして右側は、WHOのガイドラインですすめられている、1日あたりの推奨摂取量です。
これを見るとわかるように、コップ1杯の飲み物で、1日の砂糖の推奨摂取量を簡単に超えてしまいます。
砂糖を摂りすぎると肥満や糖尿病などのリスクに
毎日飲んでいる大好きな飲み物に、たくさん砂糖が含まれていると知ったら、ショックですよね。では、砂糖を摂りすぎるとどうなってしまうのでしょうか?
砂糖の過剰摂取を続けると、肥満や糖尿病などのリスクが高くなります。肥満や糖尿病は、悪化すると動脈硬化などのリスク因子となる場合が。
また、砂糖には中毒性があり、過剰摂取を続けるとからだが砂糖に依存してしまいます。そうなるとさらに砂糖の摂取量が増え、悪循環に。
健康長寿をめざしたい場合は、飲み物の砂糖の量に気をつける必要があります。
食品に含まれる「砂糖の量」がわかる計算式
まずは、飲み物に含まれる糖質の量を知ることから始めましょう。
食品の商品パッケージにある「栄養成分表示」。これを正しく読めるようになるのが第一歩です。
けれど、一般的な栄養成分表示には「砂糖の量」は書かれていません。
飲み物に含まれる砂糖の量=糖質量を知るには、以下の式を参考にすることで、だいたいの量がわかります。
糖質=炭水化物−食物繊維
*この計算式は食品表示のルールに基づいています。
炭水化物量は、消費者庁の「食品表示基準」で表示が義務付けられているため、どんな食品にも表示されています。
食物繊維量は任意表示なのですが、フレッシュジュースやお茶など一部の飲み物を除いて、食物繊維が飲み物に多く含まれていることはまずありません。
食物繊維の表示がない場合は、炭水化物量を見るようにしましょう。
管理栄養士おすすめの飲み物、飲み方
それでは、日ごろの水分補給として飲む飲み物は、どのようなものを選べば良いのでしょうか?いちばんは、糖分の含まれない飲み物を選ぶことです。
一部の飲料に含まれる糖分が多いことはすでにお伝えした通りですが、糖分含有量の低い飲料もたくさんあります。コーヒーならブラック、紅茶なら無糖、ほかにも緑茶や麦茶、ミネラルウォーターなどがおすすめです。
とはいっても、甘い飲み物が飲みたくなるときもありますよね。
そんなときは、牛乳や豆乳、米麹から作った甘酒など、砂糖を加えなくても、素材の甘みが楽しめる飲み物を選んでみてください。
コーヒーや紅茶に砂糖と牛乳どちらも入れてしまう場合は、牛乳だけにしてみるといいでしょう。
はじめは物足りなく感じるかもしれませんが、牛乳の甘みが楽しめておすすめです。
どうしても甘みを加えたいときは、オリゴ糖やエリスリトールを試してみてもいいかもしれません。砂糖より若干高価ですが、砂糖よりも血糖値を上げにくいのが特徴。天然の甘味料です。
ついつい飲みすぎてしまう甘い飲み物。毎日の飲み物から、少しずつ「砂糖控えめ」生活をはじめませんか?
※1 2015年公表,世界保健機関(WHO)ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」
※2 文部科学省「食品成分表2015年版(第7訂)」
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
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