11月14日(土)は「世界糖尿病デー」。
糖尿病の患者さんは年々増加傾向にあり、「国民病」といわれるほどになっています。
厚生労働省の2017年の調査(※1)では、糖尿病の患者数は328万人を超え、過去最多の人数を記録。
また、厚生労働省「国民健康・栄養調査」2016年によると、糖尿病が強く疑われる人(糖尿病有病者)と糖尿病の可能性を否定できない人(糖尿病予備群)はそれぞれ約1000万人、合わせて約2000万人と推計されています(※2)。
糖尿病は生活習慣病と呼ばれる疾患のひとつ。
健康診断などで「メタボリックシンドローム」と診断されている方は、糖尿病のリスクが高いといえます。
定年後も元気に過ごすために、今から食事を見直してみませんか?

そもそも糖尿病とは?

「糖尿病」とは、からだの糖の代謝に異常が起こり、血糖値の高い状態が続く病気です。
放っておくと体のさまざまな臓器に悪影響が出て、やがて深刻な合併症を引き起こすこともあります。
糖尿病は初期の段階では目立った自覚症状がないため、健康診断で指摘されて初めて気づくケースが多いようです。そのため、知らず知らずのうちに症状が進行してしまうことがあります。
糖尿病予備軍から抜け出すためには、食事改善が鍵になります。そのためには、自分に合った「適切なエネルギー量」や「適切な栄養量」を摂ることが大切です。

自分にとって「適切な食事」とは何か?を知る

「適切な食事」を知るには、自分にとって「適切な体重」「適切なエネルギー量」を知る必要があります。

1)適切な体重を知ろう

糖尿病を予防するには、肥満にならないことが重要です。自分が肥満かどうかは、身長と体重で割り出す「BMI」でわかります。BMIは国際的に用いられる体格指数のことで、18.5未満はやせ、18.5〜25.0未満は正常、25.0以上は肥満と判定されます。

BMI(肥満度)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

2)適正なエネルギー摂取量を知ろう

「カロリー」という言葉を聞いたことはありませんか? カロリーはエネルギーの単位。人間が生きて活動するためには、エネルギーが必要です。人間のエネルギーとは、すなわち食べ物。食事から摂るエネルギーの目安量は、身長に対する標準体重と活動量から算出することができます。

適正エネルギー量(kcal/日)=標準体重(kg)×身体活動量(kcal/kg)

標準体重(目標体重)=身長(m)×身長(m)×22

【身体活動量の目安】(※3)
低い……1日の半分以上は座っていて、ほとんどからだを動かさない
ふつう……1日に合計2時間程度、仕事や家事などで継続的にからだを動かしている
高い……仕事や家事などで頻繁にからだを動かしている。またはスポーツの習慣がある

成人男性
・低い……33〜36kcal/kg
・ふつう……38〜42kcal/kg
・高い……44〜47kcal/kg

成人女性
・低い……31〜33kcal/kg
・ふつう……36〜39kcal/kg
・高い……41〜44kcal/kg

まずは目標体重を目指して、適正エネルギー摂取量の範囲で食事を摂ることから始めてみましょう。

*身体活動量の目安は、「日本人の食事摂取基準」2020年版(厚生労働省)02_各論_1-1エネルギーP79「年齢階級別に見た身体活動レベルの群分け」を参考に、18〜64歳の値を、小数点第一を四捨五入して算出しました。

健康的な栄養バランスと食事のリズムを知る

適正エネルギー量摂取量がわかったところで、次は栄養素のバランスが大切になります。
からだに欠かせない栄養素の中で、エネルギー源となるのは、たんぱく質、脂質、炭水化物です。

【たんぱく質】
1gあたり4kcal。肉や魚、牛乳、チーズなどの動物性と、豆腐や納豆などの植物性のものがあります。

【脂質】
1g当たり9kcal。なたね油やごま油などの植物油、バター(動物性油脂)、肉や魚の油(脂)もあります。

【炭水化物】
1g当たり4kcal。糖質と食物繊維の総称で、ご飯やパン、麺類などの穀類、いもやでん粉類のほか、はちみつや砂糖、甘味類、果実などにも含まれます。

これら3つの栄養素には、理想の摂取バランスがあります。

炭水化物50〜65%、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%(※3)。

エネルギー量、栄養量などの計算が面倒な場合は、スマホのアプリを活用するのも手です。「おいしい健康」のアプリでは、簡単に献立を組むことができ、必要な栄養バランスがわかります。

そして、1日3食の食事のリズムを毎日一定に保ち、3食きちんと食べることが大切です。
遅い時間の食事は避けて、朝ごはんをしっかり食べましょう。
早食いはせずに、よく噛み、ゆっくり食事を摂ることを心がけてください。
また、間食や甘い飲み物を摂るのは、食事と食事の間に1度だけにするなど、回数にも気をつけるといいでしょう。

今から健康的な食事を取り入れて、元気な定年をむかえたいですね。

<参考>『糖尿病診療ガイドライン2019』編・著 日本糖尿病学会(南江堂)
※1 厚生労働省公表,2017年「患者調査」
※2 厚生労働省公表,2016年「国民健康・栄養調査」
※3 厚生労働省公表,「日本人の食事摂取基準 2020年版」

編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士

株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。

おいしい健康:https://oishi-kenko.com/

 

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