前回の記事【契約中の保険に特約は追加できる? 追加できないケースも解説】では、保険の特約の追加について解説いたしましたが、保険の特約は追加できるだけでなく、途中で外すこともできます。今回は、特約を外す際の注意点や、保険を見直すポイントについてみていきましょう。

100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。

目次
特約を外すのは、どんなケース?
特約を外す保険の種類ごとの特約を外すケース
特約を解約する際の注意点
保険を見直す時のポイント
まとめ

特約を外すのは、どんなケース?

保険契約の途中で特約を追加することを、「特約の中途付加」と呼ぶのに対し、特約を途中で解約することを「特約の中途解約」といいます。では、特約の中途解約をするのは、どのようなケースがあるのでしょうか?

保険の特約を中途解約するケースは、いくつか考えられます。ここでは、代表的な理由を4つ挙げておきます。

必要性がなくなった場合

特約のカバーする保障が不要になった場合、特約を外すことがあります。例えば、子供が独立して終身保険についている定期保険特約(死亡保障の上乗せ部分)が不要になった場合などが考えられます。

コスト削減のため

保険料が高くなっている要因の一つが、特約です。不要な特約を外すことで、保険料を抑えることができます。特に、保険の見直しをする際に、特約の必要性を再検討することがあります。

他の保険でカバーできる場合

他の保険で、既に同じ保障がカバーされている場合、重複を避けるために特約を外すことがあります。例えば、新しい医療保険に加入して、既存の保険の医療特約が不要になった場合などが考えられます。

特約の更新時期

定期保険などに、付加されている特約は契約期間が決まっていて更新が必要な場合があります。その際、更新時に特約が不要と判断した場合には、外すことがあります。特約を外すかどうかを検討する際は、現在のライフスタイルや将来の計画を考慮して判断するのが重要です。また、保険全体の見直しを行なう際に、専門家に相談することもおすすめです。

保険の種類ごとの特約を外すケース

どの特約を外すのかは、主契約がどのような種類なのかによって異なります。

医療保険

医療保険には、がん特約・先進医療特約・生活保障特約などが、付加されているケースがあります。医療保険とは別に、がん保険に加入している場合、がん特約が重複した保障となるケースが考えられます。がん保険の診断給付金や入院給付金などでは足りない場合を除けば、がん特約は不要であるといえるでしょう。

先進医療特約も、がん保険に付加されているケースが多いため、重複した保障となり、どちらか一方の先進医療特約が不要となるケースが考えられます。また、生活保障特約は、死亡保険や収入保障保険に加入している場合、重複した保障となるため、特約の中途解約を検討するといいでしょう。

終身保険

終身保険には、医療特約・介護特約・定期特約などが付加されているケースがあります。これらの特約は、それぞれに同様な保障を主契約とする保険があり、終身保険の他に医療保険・介護保険・定期保険に加入していれば、保障は重複となります。

どちらか一方の保障で十分なのであれば、特約を中途解約するか、他の保険を解約するかを検討するといいでしょう。

一般的には、「主契約があっての特約」であるため、基本的にはどの特約であっても中途解約することができます。しかし、一部の商品では特約の契約が必須となっている商品もありますので、商品ごとに保険会社へ確認する必要があります。

特約を解約する際の注意点

特約を中途解約する場合に、特に注意しなくてはならないことがあります。生命保険や医療保険では、特約の中途付加の際には告知書などで直近の健康状態を確認します。つまり、一旦解約した後に、再度特約を中途付加しようとしても健康状態によっては引き受けてもらえないことがあります。そのため、後々必要になりそうな保障を安易に中途解約することは、できるだけ避けた方がいいでしょう。

例えば、20代の人が死亡保険や医療保険に介護特約を付けて加入している場合。保険料負担を減らすために「まだ介護状態にはならないから」と介護特約を中途解約して、50代になってから介護の保障を追加しようとしたときに、健康状態によっては中途付加することができないというケースもあるのです。

保険を見直す時のポイント

保険を見直す時のポイントはいくつかありますが、ここでは大きく2つのポイントについて見ておきましょう。

保障内容の確認

一番重要なことは、備える保障が自分に合っているかどうかということです。必要保障額を十分に準備できているかを知るためには、ライフプランを作成することが必要です。ライフプランを作成した上で必要保障額を算出し、保障内容を確認して、保障が足りない場合は新たな保険に加入するか、特約でカバーできるかなどを検討します。

一方、資産を形成することで保障が不要となっていくケースも考えられます。この場合は、保障額を減額するか、特約を中途解約するなど、資産状況に合わせて調整するといいでしょう。

保険料の見直し

同じ保障内容でも、保険会社によっては保険料が異なるケースがあります。加入している保険よりも保険料が安い保険がないか、他社の保険と比較してみるといいでしょう。

まとめ

保険に加入する目的は、少ない保険料で大きな保障を得ることにあり、必要な保障を必要なだけ備えることが基本です。特約は、1つの保険の保障内容を充実させる役割がありますが、他に加入している保険との重複は避けたいところです。

さまざまな金融商品が出回っている世の中だけに、あなたの味方になって守ってくれる相談相手を持つことが必要な時代になっています。

●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)

株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)

株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com

●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB

 

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