取材・文/石川真禧照(自動車生活探険家)

車の先進技術と同様に、タイヤも日々進化を遂げている。安全で快適な運転に欠かせないタイヤの基礎知識について、創業120年の歴史を誇るタイヤメーカー、グッドイヤーで商品企画を担当する鈴木清英さんに話をうかがった。

静粛性や操舵性の向上などを重視して開発されたグッドイヤーの新製品タイヤ『エフィシェントグリップ コンフォート』(写真のタイヤサイズは225/50R17)。

 

■なぜ安全な運転にタイヤ選びが重要なのか?

石川真禧照(以下、石川) 先日、友人の家族と車2台で箱根に行きましてね。その帰り道、雨が激しく降ってきたんです。私は友人の車を追走していて、細いT字路を左折した時のこと。前を走る友人の車が曲がりきれず、スルスルと対向車線に出てしまった。

鈴木清英(以下、鈴木) 想像しただけで背筋が凍りますね。

石川 幸い対向車や歩行者はなく、ガードレールにバンパーをこする程度ですみました。後ろから見ていた私もヒヤッとしましたね。

鈴木 ひとつ間違えたら、大事故になっていたかもしれません。

右はグッドイヤー商品企画担当マネージャーの鈴木清英さん(40歳)。左は本誌連載「名車を利く」を執筆する石川真禧照さん(70歳)。

石川 何が起きたのか彼に尋ねると、「いつものようにハンドルを切ったにもかかわらず、思い通りに曲がらず車体が外側へふくらんでいった」というのです。

鈴木 おそらく雨でタイヤがグリップを失ったのでしょう。路面が濡れていると、時速30km以下の低速でも起こりうることです。

石川 どうやらタイヤも相当すり減っていたそうです。

鈴木 そうした怖い体験をしないためにも、日頃からタイヤに気を配っていただきたいのですが――。

石川 見慣れすぎているせいか、一般のドライバーでタイヤに関心を持っている人は少ないですね。

鈴木 タイヤは道路と接する唯一の部品で、1本のタイヤが路面に接する面積はハガキ1枚分ほど。非常に狭い接地面で車は走る、止まるを繰り返しているのです。

石川 4本合わせてもA4の用紙1枚ですから、先進の安全機能を搭載する車でも、すり減ったタイヤでは機能を100%発揮させるのが難しくなる。事故を起こさないためにも足元、つまりタイヤから見直す必要がありますね。

鈴木 車の基本性能である「走る・曲がる・止まる」は、タイヤがあっての話ですから。さらに燃費や静粛性、乗り心地などもタイヤによって変わります。

 近年は車の性能と同様に、タイヤもかなり進化しています。

鈴木 愛車のドライブをより安全で快適に楽しむためにも、タイヤについてもっと知っていただきたいですね。

■どんなタイヤを選べばよいか?

石川 カー用品店には数多くのタイヤが並んでいて、どれを選べばいいのかわからないというサライ読者の声をよく耳にします。

鈴木 セダンやスポーツカーといった車種があるように、タイヤにも様々な特徴があります。乗り心地を高めるタイプ、キビキビとした操そ う舵だ 感を味わえるタイプ、燃費性能を重視したタイプなどです。まずはどういったドライブを楽しみたいのか、それに合ったタイヤを選ぶのが基本です。

石川 サライ世代は、ゆったりと心地よく、安心してドライブを楽しみたいという方が多い。具体的にお薦めのタイヤはありますか?

鈴木 路面との摩擦による騒音や、衝撃・振動を抑えて、しなやかな乗り心地を味わえるよう設計した『エフィシェントグリップ コンフォート』がお薦めです。路面を捉えるグリップ性能に優れ、排水性も高いので、雨の日でも運転していて安心感があります。

石川 タイヤの性格(性能)は、どうやって違いを出すのですか?

鈴木 簡単にいうと、ゴムに混ぜる材質や、その配合率でタイヤの性格が決まります。高性能なタイヤは質のいい高価な材料を使っているので価格も高くなりますが、安全・安心・快適なドライブを楽しむには、そうしたタイヤを選ばれたほうが絶対にいいですね。 

『エフィシェントグリップコンフォート』(グッドイヤー)

グッドイヤー『エフィシェントグリップ コンフォート』の4つの魅力

(1)静粛性を高める
タイヤの両脇に刻まれた横溝のピッチ(間隔)を細分化した左右非対称のパターンにすることで、タイヤが路面に接する際の摩擦による騒音を低減する。

(2)操舵性が向上する
接地面中央の幅広のリブ(縦溝を刻むことで生まれる「うね」状の部分)が直進安定性を高め、各リブに接地圧を均一化するデザインを施すことで操舵性を向上。

(3)乗り心地が改善される
柔軟性の高い材料をゴムに配合し、タイヤ内部やタイヤ側面に衝撃吸収構造を採用。これによって路面からの衝撃を緩和し、路面の細かな凹凸による振動も的確に分散する。

(4)耐摩耗性に優れる
路面接地圧を均一化し、直進時の摩耗エネルギーを低減させたことで、同社の従来製品との比較でロングライフ性能(耐摩耗によるタイヤの寿命)がより優れている。

タイヤに刻まれた溝が作り出す模様をトレッドパターンと呼ぶ。この模様が駆動や制動、路面の排水性などを高める機能を担う。

石川 タイヤは摩耗し劣化しますから、日々の点検も重要です。

鈴木 タイヤの減り具合やひび割れなどは目で確認できます。空気圧は乗り心地や燃費に影響しますから、ひと月に1回は適正圧かどうかガソリンスタンドなどで調べてもらうよう心がけてください。

「スリップサインと呼ばれる、縦溝の底の少し盛り上がった部分がトレッド面と同じ高さになる前にタイヤを交換しましょう」(鈴木さん)

 

■実走してわかった『エフィシェントグリップ コンフォート』の実力

さっそくグッドイヤー『エフィシェントグリップ コンフォート』(以下『コンフォート』)を装着した4ドアセダンで試走開始。

グッドイヤー『エフィシェントグリップ コンフォート』に履き替えて一般道を試走する。静粛性が向上すると同乗者の声が聞き取りやすくなるので、車中の会話も弾む。

走行中にタイヤを通じて車内に伝わるノイズ(騒音)はおもに2種類ある。ひとつは空気がタイヤの溝の中を流れることで生じるパターンノイズ。もうひとつは、タイヤが路面に接する際の摩擦や振動によって生じるロードノイズだ。

『コンフォート』は、両脇部分に刻まれた横溝の配列をより細分化し、縦溝を流れる空気の流れを横溝から外へ分散させている。そうすることでパターンノイズとロードノイズが大幅に減少し、タイヤの振動抑制効果も発揮する。一般道を走行していると、車内に響く耳障りな“シャー”“ゴー”という音が小さいことに気づく。

さらに、柔軟性の高い材料をゴムに配合し、タイヤの骨格を担う部材に柔軟性を持たせることでカーブなどで均一にたわむよう設計した。それによって路面からの振動や衝撃をしっかり吸収し、乗り心地を格段に向上させている。

実際、路面の粗い舗装道でも不快な振動はほとんど感じない。マンホールや高速道路の繫ぎ目、段差などを通過した時の突き上げ感も緩和され、車内に伝わる衝撃は“かど”が取れて柔らかい。

ゴールデンウイークは『コンフォート』に履き替えた愛車で、快適なドライブを満喫してみてはいかがだろう。

車種ごとに適正なタイヤサイズがあるので、販売店などでタイヤを購入・交換する際は、愛車のタイヤサイズを事前に確認しておくこと。

 

【グッドイヤー製品の購入案内】
グッドイヤーのタイヤは、全国のグッドイヤータイヤ専門店『イーグルショップ』『イーグルステーション』をはじめ、新車販売店、カーショップなどで購入できます。販売店などの詳細は日本グッドイヤーのホームページ(http://www.goodyear.co.jp)をご覧ください。

取材協力/東都ジイワイ

※この記事は『サライ』本誌2018年5月号より転載しました。

 

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