本能寺前週の「余興」

本物の猿も登場した「お猿のお猿による猿回し」。(C)NHK

I:今週は、本能寺の変の前週になります。

A:じつは9年前の2017年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』でも、本能寺の変を描く前週に「信長、浜松きたいってよ」という副題がつけられ「余興」が演じられました。具体的には、武田攻めを終えた信長(演・市川海老蔵/現十三代目市川團十郎白猿)が、帰路に家康(演・阿部サダヲ)のもてなしで富士山を遊覧し、浜松に立ち寄った際に「余興」が行なわれたのです。その余興を担当したのが、家康の旧主今川氏真(演・尾上松也)。三河の偉丈夫5人を集め、信長に相撲をみてもらうという趣向でした。

I:「信長―相撲好き―余興―コミカルな副題」……。これは『豊臣兄弟!』と共通するのですが、両作とも制作統括が松川博敬さんなんですよね。

A:きっとドラマの打ち上げでも、参加者をうならせる「余興」が出るんでしょうね。

織田信澄という「悪魔」が黒幕なのか?

I:さて、信澄のことを信長が許しましたが、その直後に衝撃的な展開になりました。なんと、光秀に渡っていた将軍足利義昭の御内書ですが、それを信澄が偽造していたという告白です。

A:うーん。そう来ましたかという思いです。これまで本能寺の変を描いた大河ドラマでは「八上城での光秀の母見殺し問題」「家康饗応で供された腐った魚問題」「諏訪法華寺での信長による折檻」など、江戸時代に創作されたと思われるエピソードからの「流用」が多かったですから、それらと比べると「実際にそんなことあったかも?」という素材で、ミステリアスな感じがして、ドギマギしますね。

I:当欄ではずっと「これまでに見たことがない本能寺の変」に対する期待を表してきました。ついに来週ですね。

秀吉(右)と夢を語り合う信長(左)。(C)NHK

※宮崎あおいの「崎」は正しくは「たつさき」。

●編集者A:書籍編集者。かつて『完本 信長全史』(「ビジュアル版逆説の日本史」)を編集した際に、信長関連の史跡を徹底取材。本業では、11月10日刊行の『後世に伝えたい歴史と文化 鶴岡八幡宮宮司の鎌倉案内』を担当。

●ライターI:文科系ライター。月刊『サライ』等で執筆。猫が好き。愛知県出身なので『豊臣兄弟!』を楽しみにしている。神職資格を持っている。

構成/『サライ』歴史班 一乗谷かおり

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