団塊の世代とは、1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)に生まれた世代で、この時代は第一次ベビーブームが起きた時期であり、日本経済においては、第二次世界大戦後の高度経済成長、バブル景気を経験している世代でもあります。年齢で言うと、70~72歳(2019年12月現在)にあたる方々になりますが、彼らが活躍した時代と現代では、産業や技術の進歩だけではなく、価値観も大きな違いがあります。
そこで、不動産担保ローンを取り扱うSBIエステートファイナンス株式会社が持ち家に住む団塊の世代の方々の住宅事情や老後に関してのアンケート調査を実施しました。
「団塊の世代の住宅事情」と「団塊の世代の老後の資金」の実情を見ていきましょう。

■団塊の世代の人たちは何歳まで生きていたい?

「人生100年時代と言われていますが、あなた自身は何歳まで生きたいと思いますか?」と聞いたところ、「85歳まで」が一番多く22.4%、次いで「80歳まで」が20.6%、「90歳まで」が17.8%、という結果になりました。
「あまり生きたいと思わない」「75歳まで」を合わせると13.1%、一方で「100歳まで」「それ以上」を合わせると17.8%となっています。このことから、比較的長生きしたいと思っている方は多いと言えるのではないでしょうか。

■団塊の世代の住宅事情、戸建てが73.8%

「あなたの住んでいる物件の種類を教えてください」と聞いたところ、「戸建て」が73.8%、次いで「大規模マンション(200戸以上)」が10.3%、「中規模マンション(50~200戸未満)」が8.4%、「小規模マンション(50戸未満)」が6.5%となりました。
タワーマンション(高さ150m以上のもの)に関しては、1970年代頃(団塊の世代が20代半ば~後半)から建設が始まったこともあり、今回のアンケート調査では、タワーマンションを購入された方はいませんでした。

続いて、「あなたが今住んでいる物件はいつ購入しましたか?」と聞いたところ、「30代」が25.2%、次いで「40代」が23.4%、「50代」が16.8%という結果になりました。

さらに「あなたが今住んでいる物件のローンはいつ払い終えましたか?」と聞いたところ、「50代」が29.9%、次いで「60代」が24.3%、「現金で購入した」が21.5%となりました。50代までに住宅ローンを払い終えた方が61.6%もいたことは、非常に興味深い結果と言えます。
人生100年時代と言われている一方で、2009年から住宅金融支援機構によって最長50年の住宅ローンが登場し、それを機に、多くの金融機関で40年以上の返済期間の住宅ローンが取り扱われるようになりました。このことを考えると団塊の世代で50代までにローンが完済している割合が6割超というのは、今よりも返済期間がかなり短かったと言えるでしょう。
また、比較材料はありませんが、現金で住宅を購入した方が、20%超もいることは、バブル景気を経験した世代の特徴かもしれません。

■団塊の世代の老後の資金、「1000~2000万円未満」が24.3%

「今後、公的年金以外に、老後資金はどれくらい必要だと思いますか?」と聞いたところ、「1000~2000万円未満」が24.3%、次いで「わからない」が19.0%、「2000~3000万円未満」が15.0%という結果になりました。
この背景には、金融庁が2019年6月3日に公表した金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」の内容が世間的に大きく取り上げられ、「老後資金2000万円」問題として話題になったこともあると考えられます。
次に「あなたは前問で答えた老後資金に対して十分な備えがありますか?」と聞いたところ、「ない」と答えた方が6割超の61.7%、「ある」と答えた方が38.3%という結果になりました。
さらに「ある」と答えた方にどうやってその資金を蓄えたのか、「ない」答えた方に今後どうやってその資金を確保しようと考えているかを聞いてみました。
「ある」と答えた方の資金は、「預貯金」が80.6%、次いで「退職金」が64.5%、「保険」「株式」が38.7%と続きました。「退職金」の割合が多いのは、日本固有の慣行である終身雇用がまだ残っている時期に退職を迎えた方が一定数いたからだと考えられます。
また、「株式」の割合が多いのはバブル期の株式投資ブームで、株式投資が身近な存在であり、経験者が多いことが想像できます。
一方、「ない」と答えた方の資金確保法は「これからも働く」が圧倒的に多く60.0%、次いで「当てがない」が26.0%、「不動産の売却」が12.0%という結果になりました。「これからも働く」という方が多いのは、現在、高齢者を積極的に採用する企業が脚光を浴びてメディアに頻繁に紹介されているなど、老後でも高齢者が働ける環境になっていることが要因のひとつではないでしょうか。

***

団塊世代の住宅は、今と比べて圧倒的に戸建て住宅に人気があったことがわかりました。住宅ローンを終えているにもかかわらず、老後の資金についてはまだ確保できていない方も多いということは、後の世代にも不安が残ります。老後の生活について考えるべき課題はまだまだ多いですね。

アンケート回答者:持ち家に住む団塊の世代(70~72歳、2019年12月24日時点)111名
アンケート回答期間:2019年12月24日~2019年12月25日
※すべての回答ではなく回答が有効なものとなります。
回答者の居住地:一都三県

 

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