取材・文/ふじのあやこ

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)

今回お話を伺った泰子さん(仮名・41歳)は、25歳の時に高校の同級生と結婚、現在は都内にある2人のマンションで生活をしています。泰子さんは29歳の時から義家族と絶縁状態に。そのきっかけは何度も流産している泰子さんに向かって義母が「子どもがいなかったらその分裕福な生活ができていいじゃない」と言ったことで実子である旦那さんがブチギレてしまったから。絶縁になっても、当時の泰子さんに不安はなかったと振り返ります。

「元々、夫の家族は仲が悪くて、義父はろくに帰ってこなくて、母親は家にはいるものの子育てをちゃんとするような人でもありませんでした。私たち夫婦は夫の家族には伝えずに都内に引っ越し、それに電話にも出なくなりました。私は着信があるのも嫌だったので、番号を変えたほど。そうしたら、なんかすっきりしたんですよね。私は夫が好きで結婚したのであって、夫の家族に入りたかったわけじゃなかったし、夫も育った家よりも私を選んでくれたから」

夫の浮気で夫婦関係が悪化。そんな時に義父の訃報が届き……

夫婦だけの生活は長年うまくいっていたそうですが、あることでケンカが絶えなくなっていきます。

「夫が浮気をしたんです。相手は同じ会社の女性でした。浮気がわかったのは、帰りが遅くなったり、いつも気にしていなかったのに携帯を持ち歩くようになったりと、ありきたりなものです。夫は事実を認め、相手女性が会社をやめることを条件に、一度は許しました。その他にも携帯番号を変えさせたり、お小遣いを減らしたりと色々したんです(苦笑)。

夫はそれから真面目にはなりましたが、これも嘘なんじゃないかと疑うクセみたいなものが私についてしまって。私が質問をして一度夫が答えたものを、後日同じ回答をするか再度聞いてみたり。それを何度か繰り返していると、前も言ったことだと夫がキレるようになりました。怒るということはやましいことがあるからとさらに疑心が増えていく、という悪循環に嵌まってしまいました」

夫婦関係の悪化と重なったのが、義父の訃報。

「元々腎臓が悪くて、人工透析で病院に通っているというのは聞いていました。でも、それ以外は元気だったし、年齢も60代でまだまだ働き盛り。家に帰ってこないのも元気な証だと勝手に思っていたのに。たまたま検査もかねて入院したら、病院で急に危篤状態になり、そのまま……。夫は気丈に振る舞っていましたが、車の運転もおぼつかないくらい動揺していて、私が車を運転していったくらいです」

【次ページに続きます】

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