「子供の頃に聞いていた歌を口ずさむと、何十年も前の思い出がよみがえり、優しく慕わしい気持ちになる」というサライ世代は多く、いま唱歌や叙情歌の人気が高まっています。
テレビでもBS局を中心に、日本の古き良き歌をじっくり聴かせる番組が増え、『BS日本・こころの歌』などが人気に。同番組のコーラスグループ「FORESTA」も活動の幅を広げています。
それにともない、歌本来の楽しさと美しさを表現できる実力派コーラスグループが若手からも登場。メンバー全員が東京芸術大学出身の「TOKYO VOICES」がその代表格です。唱歌や叙情歌は、孫・子・親で楽しめる一大ムーブメントになっているのです。
でも、名曲を再び聴きたいと思っても、明治・大正・昭和と歌い継がれてきた楽曲は膨大にあり、聞きたい曲があっても、どこに収録されているかわからない……ということもあるでしょう。そこでご注目いただきたいのが、この3月に小学館から創刊されたばかりの隔週発売のCD付きマガジン『こころに響く日本の歌』(特別価格500円)です。
創刊号には、由紀さおり・安田祥子、加藤登紀子、坂本九など超有名アーチスト7組による名曲10曲を収録したCDが付いていて、その豪華さが話題となっていいます。
そこで今回は、『こころに響く日本の歌』創刊号で紹介されている名曲の中から、今聞きたいベストな3曲を、音楽解説者・合田道人さんの説明と共に紹介しましょう。
■1:『どこかで春が』(唄/由紀さおり・安田祥子)
1曲目は、今の心にピタリとハマる『どこかで春が』。創刊号の付属CDでは由紀さおりさん・安田祥子さんが歌っています。これは、そろそろ春がやってくるな……という今の季節に口ずさみたくなる歌の代表格で、1923年に発表された歌。作詞を担当したのは大阪府出身の詩人・百田宗治です。
解説の合田さんは「“春が生まれてる”や“どこかで芽の出る音がする”など、繊細な擬人法とも言うべき書き口が、子供心にも感心し、作文などで使ってみたくなったりした」と語っています。
■2:『早春賦』(唄/安田祥子)
2曲目は、暦の上での立春は2月4日だが、まだ春は遠い……という心情を歌う『早春賦』。創刊号の付属CDでは、安田祥子さんの透明感ある歌声が、清流と寒さ、かすかな春の気配を表現しており胸を打ちます。
「この歌、信州安曇野の雪解け風景を歌ったと言われ、穂高川の岸辺には歌碑も建っているが、温かな陽ざしの春を待つというだけの歌ではない。そこには、人生の春、喜び、成功への道程が綴られている」(合田さん)
作詞者の吉丸一昌は、武士の息子として生まれましたが、明治の文明開化の波が押し寄せる中、苦労をものともせず文学者として名を成したといいます。そんな背景を知ると、この歌を聞き、勇気づけられる人が多いことも納得できるはずです。
■3:『からたちの花』(唄/菅原洋一)
最後に紹介するのは山田耕筰作曲、北原白秋作詞の名曲『からたちの花』。菅原洋一さんの優しく味わい深い歌声を聞いていると、花の甘いかおりが漂うようです。
「耕筰は10歳で父親を失くし、夜学併設の工場に住み込みで働くことになった。だが、寮の食事は粗末だった。腹の足しにと、寮の敷地を囲んでいた垣根のかたらちから酸っぱい実をとって食べたという。そんな話を聞いた白秋は、同情の念と共に自らの少年時代を思い起こした。ふるさと、福岡柳川の自宅から学校へ通う小径にもからたちの垣根があった。耕筰の悲しみと自らのからたちへのイメージをオーバーラップさせ、この名曲は生まれたのだった」(合田さん)
この曲を聴くと、少年時代の悲しみを甘やかに思い出し、切なくなる人も多いといいます。
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ほかにも、この創刊号には、坂本九さん唄う『幸せなら手をたたこう』や、加藤登紀子さん唄う『浜辺の歌』など多くの名曲が収録されています。曲の詳しい解説も付いているので、名曲の新たな魅力に気が付くはず。大切な人のプレゼントにもおすすめです。
加藤登紀子さんの特別インタビューや、脳トレにもなる「名曲なぞり書き」「名曲クロスワード」も付いて、特別価格:本体463円+税。全国の書店等で発売中です。詳しくは下記公式ホームページをご覧ください。
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※なお、この創刊を記念して、アンケートを実施しています。あなたの「こころに残る曲」「思い出の曲」を教えてください。いただいたご回答は、『こころに響く 日本の歌』の選曲の参考にさせていただきます。
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文/編集部