
更年期になり、ふとした瞬間に「私だけ取り残されている気がする」「家族や友人がいても寂しい」と感じることはありませんか? 更年期前後は体の変化に加え、家庭や仕事での役割が変わりやすく、孤独を感じやすい時期です。
あんしん漢方所属の薬剤師で漢方薬にも詳しい山形ゆかりさんに、更年期の孤独感の正体や今日からできるセルフケアをうかがいました。
更年期に襲ってくる「孤独感」の正体とは

更年期の孤独感には、ホルモンバランスの変化や生活環境の変化が関係しています。原因を具体的にみていきましょう。
1.セロトニンの減少
セロトニンは、脳内の神経伝達物質のひとつであり、気持ちの安定や脳の活性化などに関わります。セロトニンが減少するとイライラや気分の落ち込み、意欲の低下などが起きやすくなるのです。
更年期に女性ホルモンの分泌量が減少するとセロトニンも減少しやすく、その結果不安や憂うつを感じやすくなることがあります。
2.環境の変化
更年期になると、子育てが一段落する、親の介護が始まる、職場での役割が変わるなど家庭や職場などでの自分の役割が変化しやすくなります。今までと環境が変わることに戸惑い、孤独を感じやすくなるのです。
その結果、人と会っていても心のなかで孤立していると感じ、抑うつ感につながることがあります。
漢方医学でみる孤独感の原因

漢方医学では、孤独感や抑うつ感は生命エネルギーである「気(き)」の乱れと関係すると考えます。
気の巡りが滞る「気滞(きたい)」では、胸のつかえや気分の落ち込み、不安などの抑うつ症状が出やすくなります。一方、気が不足する「気虚(ききょ)」では、疲れやすい、外に出る気力が湧かないといった状態になりがちです。
また、気の巡りには「肝」や「心」が関係しており、これらがうまく働かないとイライラや抑うつ症状が出やすくなります。
そのため、漢方医学では肝を補い、気の巡りをよくすることが重要だと考えます。
孤独感を和らげるためのセルフケア

更年期の孤独感を和らげるには、無理に前向きになろうとするより、体を動かしたり人と積極的に関わったりするなどの行動を積み重ねることが大切です。孤独感を和らげるためのセルフケアを紹介します。
1.運動でストレスを発散する
適度な運動でストレスを発散しましょう。気分が沈むと家にこもりたくなりますが、軽い運動にはネガティブな気分を発散する効果があり、心の切り替えに役立ちます。
激しい運動ではなく、少し息が弾む程度の有酸素運動がおすすめです。朝や夕方に10〜20分歩く、買い物ついでに遠回りするなど、生活のなかで無理なく続けられる運動を取り入れましょう。特に、朝は太陽の光を浴びながら歩くとセロトニンの分泌が促進され、気持ちが落ち着きやすくなります。
2.家族や友人と積極的にコミュニケーションをとる
家族や友人と積極的にコミュニケーションを取ることも、孤独感の緩和につながります。
孤独感が強いときほど「迷惑かも」と考えて連絡や相談を控えがちです。しかし、短い会話をするだけでも人とつながる感覚が感じられ、安心感を得ることができます。
いきなり深い悩みを打ち明けなくても、「最近どう?」とメッセージを送る、家族に今日あったことを1つ話すなどでも構いません。交流が増えることで「一人ではない」と実感しやすくなります。
3.新しい趣味を始める
新しく没頭できる趣味を始めることも効果的です。手芸やガーデニング、推し活など、なんでも構いません。
趣味のサークルなどに参加すると、同じ趣味を通して他者と交流する機会が増えるきっかけにもなります。上手にできることより「楽しい」と思えることを選びましょう。
孤独感におすすめの漢方薬

孤独感に悩んでいるなら漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は自然由来の生薬でつくられており、心と体のバランスを整えることを目指します。孤独感には気の巡りを整えたり気を補ったりする働きのある漢方薬を選びましょう。
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):
喉や胸部の滞りを取り除き、精神の緊張をゆるめて精神不安を改善する漢方薬です。気分がふさぎ、喉や食道部に異物感があり、動悸やめまい、嘔気などのある方に向いています。
加味帰脾湯(かみきひとう):
胃腸機能を高めるとともに、気や血を補って「心」に栄養を与え、弱った心身を改善する漢方薬です。イライラや精神疲労があり、食欲不振で顔色が悪い方に向いています。
漢方薬を活用するには体質や症状をもとに選ぶことが大切です。ご自身に合う漢方薬を知りたいなら、専門家に相談しましょう。
「あんしん漢方」では専門家への相談から漢方薬の購入までスマホひとつで完結できます。手軽に始められるセルフケアのひとつとして、取り入れてみてはいかがでしょうか。
孤独感を和らげて穏やかな毎日を

更年期の孤独感は、ホルモンバランスの変化だけではなく、環境変化なども関係しています。適度な運動や新しい趣味など、手軽に始められるセルフケアを取り入れることで和らげられる可能性があります。
一人で抱え込まず、誰かに相談することも大切です。場合によっては、婦人科を受診して専門家の力を借りることも選択肢のひとつです。周囲の人々にも頼りながら、孤独感に悩まされない穏やかな毎日を過ごしましょう。
<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり(やまがたゆかり)
薬剤師・薬膳アドバイザー・フェムケアサポーター。糖尿病病棟での経験から予防医学と食事の重要性を痛感し独立。エビデンスを軸に薬膳・発酵・フェムケアの視点でレシピ監修や執筆、講師活動を通じ「食から整える健康」を提唱。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホひとつで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」で薬剤師を務める。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0317&utm_source=sarai&utm_medium=referral&utm_campaign=260725











