【家族の絆】「私が愛情を注いで育てた娘を粗末にしないで」夫の不倫を黙認していた娘が次に取った行動とは～その２～

取材・文／ふじのあやこ

一緒にいるときはその存在が当たり前で、家族がいることのありがたみを感じることは少ない。子の独立、死別、両親の離婚など、別々に暮らすようになってから、一緒に暮らせなくなってからわかる、家族のこと。過去と今の関係性の変化を当時者に語ってもらう。

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今夏のドラマ作品にも不倫をテーマにしたものが多く、夫婦の不倫をされた側を意味する“サレ妻”“サレ夫”という言葉も多くの人に認知されている。HiClub株式会社が運営するアプリ「GRAVITY」では、「サレ妻と不倫」に関するアンケート調査（実施日：2024年６月７日～６月12日、有効回答数：20歳～39歳の女性403名、同アプリ内調査）を実施。アンケートでは、夫が浮気を「している・していた」「している可能性がある・していた可能性がある」と回答したのは、合わせて32.8%だった。その浮気の事実・疑いに対して、具体的な何かをしたかどうかの問いに「していない」と回答した人は70％にものぼっている。

今回お話を伺った千穂さん（仮名・42歳）は元サレ妻。流産を経験した後の妊娠だったため、長期間の里帰り出産を計画。その間に夫は不倫をしたという。【～その１～はコチラ】

女からの「結婚したい」のメッセージで離婚しないことを決意

千穂さんは身重だったため、夫の不倫調査をしてくれた姉に口止めをして、いつも通りの夫婦を演じながら女の子を無事出産する。

「子どもを抱きしめながら泣く夫に対して、私のものに触らないでと思いました。そのときには夫のことはばい菌にでも見えていたのかもしれません。

退院後はしばらくそのまま実家で過ごし、予定通り１か月健診後に夫婦の家に３人で戻りました」

離婚について考えることを休止していたのも、姉に口止めしていたのも、すべて出産のため。子育てをしていく中で離婚へと傾きつつあった気持ちは、一転してこのまま３人で過ごすほうに。その理由は女とのSNSのやりとりを見てしまったからだという。

「当時流行っていたSNSで連絡を取り合っていたみたいで、夫のスマホを調べて発見しました。私がスマホなんて勝手に見るわけないと思っていたのか、『結婚したい』という女からのメッセージと、『俺もそう思っている』という夫からのメッセージが残っていました。それを見て、そんなこと絶対にさせないと思いました」

千穂さんは不倫を知っていることを夫に伝えず、女と会う日には夫が必要な用事などを準備して、自分たち家族を不倫女よりも優先するところで優越感を得ていたと振り返る。

「不倫相手は仕事関係の人で、会う日は相手の勤め先のノー残業デーに設定されていることがメッセージのやりとりからわかりました。だから、その日を狙って、子どものことの用事を急に入れたり、私の家族、夫の家族との用事を入れました。抜けられない仕事と嘘をついて不倫女を選ばれることもありましたが、それでもいつもより早くは帰ってきましたね。それで優越感を得ていました。もちろん、いざというときのために証拠は集めていましたよ」

【母親は幸せじゃない娘を見て、泣いた。次ページに続きます】