関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

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写真はイメージです

今回の依頼者は、友則さん(仮名・60歳)。現在、25歳の息子が2年前から音信不通になり、両親に無断で入籍。現在の生活と、嫁の素行調査のために、ご夫妻で長野県から上京されました。

【その1はこちら

介護施設で働く息子を特定

まずは、息子さんの職場である、東京の下町にある介護施設から調査を開始しました。ここは24時間体制の施設で、いつ通勤するかわからない。正面玄関と職員通用口がありますが、雰囲気を見ると、職員も正面玄関を使っているので、二手に別れて特定をすることに。

写真から顔の割り出しが得意な探偵2人が見張ります。

調査を始めた時間帯は夜から。結婚したばかりで、お金が必要な息子さんは、手当てがつく夜勤を選ぶと思ったからです。夜勤の出勤時間帯は、この施設の求人情報から割り出しました。

30分もしないうちに、職員口を張っていた探偵から「調査対象者特定」という連絡が入りました。息子さんは背が高くすらりとしているので、すぐにそれと分かったようです。動画と写真を見ると、モードなファッションが好きなようで、黒のガウチョパンツに有名デザイナーのスニーカーを合わせていました。

夜勤が明けるのは8時間後の早朝。裏口を見張れる場所にコインパーキングがあったので、レンタカーを手配して見張りを続けます。

退勤時間になってから30分後、息子さんが出てきました。最寄駅から30分ほど電車に揺られ、駅からさらに20分ほど歩き、昭和レトロな外階段のアパートに入っていきました。「イマドキ、こんな物件があるのか」と思うほどの、かなり古い物件で、ネットで検索しても出てきませんでした。

その翌日の昼ごろ、息子さんはかなりふっくらした40歳くらいの女性とアパートを出てきました。25歳の美男子の息子さんと、茶髪でふくよかな中年女性の組み合わせは目を引きます。

女性は朱色のコートに、黒ずんだ黄色のバッグを持っており、どことなく崩れた印象でした。息子さんは女性の手を握ろうとしたり、肩に手を回したりして、べた惚れな様子でした。

2人は最寄り駅前の崩れそうな居酒屋さんに入って、昼飲みを楽しんでいたようです。このお店は常連しか入れなさそうなので、私達は遠巻きに見ていましたが、女性はビールから焼酎に移行、息子さんは烏龍茶を飲んでいました。

1時間程度の滞在の間、女性はかなりの量を食べ、息子さんが会計をして、そのまま出勤するようです。

女性は近くのパチンコ店に入り、閉店までパチンコを打っていました。

その後、何日か調査するもほぼ同じパターンで、息子さんは介護施設で働き、女性は何もせずに、パチンコ店に行ったり、マッチングアプリで出会った人と、遊んでいるような状況だったのです。

【昼酒にパチンコ、あまりにもひどい、嫁の行いを見て……。次ページに続きます】

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