関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、熟年夫婦、そして我が子や孫を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、直和さん(67歳)です。困っているのは、息子(37歳)が、コロナ禍を機にSNSにハマり、そこで知り合った夜の街の人々と遊びに明け暮れていることについてです。息子を惹きつけている人物を特定し、交渉することで、元の生活を取り戻したいという依頼内容でした。

【それまでの経緯は前編で】

息子は夜通し飲み、さらに昼まで店にいた

息子は9時に出勤し、15時に退勤するのが、ルーティンだという。以前は19時くらいまで働き、子供たちの塾の送迎をしたり、家で食事をしたりするマイホームパパだったとのこと。

15時からクリニック前で待機していると、背が高くオシャレな格好をした息子が出てきます。つなぎのような服で、無理に若者の服を着ているという印象でした。

その足取りを追うと、そのままサウナ施設に入っていきました。そこで21時まで過ごしてから、夜の街へ。

最初はスタンドバーに行き、顔なじみらしい男性の店員と軽口をたたき合っています。常連らしいモデル風の男性と飲み2軒目に向かいます。そこはガールズバーで、なじみの女性店員と談笑していました。

それから、キャバクラへ。この店はとても高級であり、基本的に一見さんは入れません。そこで、私たちは外で24時までの2時間、待機をしていました。

出てきた息子は、3人の女性と2人の男性と一緒です。女性は明らかにキャバ嬢で、かなり美しい。6人は焼肉店に入り、1時間ほど食事をします。10万円ほどの会計を息子がしていました。

そして、雑居ビルにある看板がない店に入っていきました。外で待機をしていると、「何をしているんですか」とスタッフの人に聞かれ、慌てて退散。ここで朝の6時まで過ごしていたのです。

息子と女性1人以外は解散。べろべろに酔っぱらった息子は、卑猥なことを残った女性に叫びながら、別の店へ。この店はとても暗く、ずっと夜が続いているようでした。息子は昼近くまでこの店でだらだらと飲みながら、女性を口説いており、昼頃に強引に店の外に出されます。

女性に封筒に入ったお金を渡し、軽いキスをしてタクシーに乗って別れました。

【帰宅する前に、息子が立ち寄った成人向けのお店で……次のページに続きます】

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