皆さんの高校には「ブラック校則」はありましたか?
4月から、東京都の都立高校では「下着の色の指定」や「髪を一律に黒くする」といった、一般社会から見れば明らかにおかしい校則やルール、いわゆる「ブラック校則」5項目が廃止されることになりました。
一方で、福岡県の教育委員会が県内の県立高校について調査をしたところ、4月以降も約20校で『下着の色の指定』や『ツーブロック禁止』といった校則があると明らかにしました。
高校の「ブラック校則」について、皆さんはどのように考えているのでしょうか?
今回、日本トレンドリサーチ(https://trend-research.jp/ 運営会社:株式会社NEXER https://www.nexer.co.jp)は、全国の男女計640名を対象に「高校の校則に関するアンケート」を実施しました。さっそくご紹介しましょう。
東京都の都立高校で廃止になった5つの「ブラック校則」について、どう思いますか?
まず初めに、4月から都立高校で廃止される5つの「ブラック校則」についての考えを聞きました。
3つの項目で「賛成」と回答した方の割合がもっとも多くなりましたが、「髪を一律に黒くする」という校則の撤廃については、「賛成」「反対」「どちらともいえない」のそれぞれの割合がほぼ同じになりました。
意見が分かれている「髪を一律に黒くする」という校則の撤廃について、年代別に集計するとこのようになりました。
撤廃に「反対」と回答した方の割合は年代によって大きな違いはありませんでしたが、撤廃に「賛成」と回答した方の割合は年代が下がるほど増え、30代以下と60代以上では、20ポイントの開きがありました。
次に、高校の校則についてどのように思うのか聞きました。
81.4%の方が「ブラック校則には反対だが、校則はあった方がよい」と思っているようです。
それぞれの回答の理由を聞いたので、一部を紹介します。
「ブラック校則も含め、校則はあった方がよい」回答理由
高校生はまだ子どもなので、規則を教えておくべき。社会人になってから役に立つ。(50代・女性)
義務教育ではないので校則がある学校を選ぶ自由がある。いやなら別を選択できる自由もある。(60代・男性)
社会に出る前の人も多いと思うので、必要だと感じる。(40代・男性)
規則を守る大切さを知るため。(30代・女性)
ある程度の規則はあった方がよいし、ないと収拾がつかなくなる。(50代・男性)
「ブラック校則には反対だが、校則はあった方がよい」回答理由
基本的な皆が共同生活を送る上での最低限のルールは必要と思う。(70代・男性)
最低限の校則はあったほうが秩序が保たれると思います。(50代・女性)
ブラック校則自体は理不尽なものなので反対だが、校則が全くないと何でもありの風潮にもなってしまうので、最低限の校則はあったほうが良いと思う。(40代・男性)
自己判断できる人ばかりではないと思うので、常識の範囲内での校則はあってもいいと思う。(40代・女性)
ブラック校則は、生徒の心理的な負担を大きくするだけであるので理不尽な規則は撤廃されるべきだと思うが、社会に出ればルールは数多く存在するため、そのルールを守っていけるような人間を育てるためにも理に適った校則は必要である。(20代・男性)
校則が厳しすぎたり、ゆるすぎたりすると、生徒同士でいじめに発展したり問題を起こすことがあるから。(20代・女性)
おかしくない校則ならあると便利。(50代・女性)
規律が多少はあったほうが勉学に集中できるから。(30代・男性)
ある程度の規律は必要だが、個人の個性まで拘束するのは反対。(70代・女性)
「校則はない方がよい」回答理由
自立した人になるためには必要ない。(70代・男性)
髪を染めてたりアクセサリーをしていても高校で勉強はできるし、校則で押さえつけると反発したくなる気持ちが強くなるから。(30代・女性)
今の時代にあってないと思うから。(30代・男性)
校則とかがあるから余計に反発したくなるだろうし、ましてや人間見かけで判断してはダメと大人が言いながら、見かけで判断してるのは大人のほうだと思う。(50代・女性)
法律があるのだからそれでいい。(50代・男性)
校則に縛られ過ぎても困る。化粧がダメだと言う校則があるが、化粧は社会に出ると必要になる。ダメだと言うのはおかしい。(10代・女性)
生徒の自由が奪われてしまうから(30代・男性)
自身の高校の「ブラック校則」は?
自身の通っていた高校に、校則があったか聞きました。
「校則があった」方の割合は79.4%で、3.8%の方は「校則がなかった」ようです。
自身の高校に「校則があった」と回答した508名の方に、自身の高校に「ブラック校則」があったか聞いてみました。
22.8%の方が「“ブラック校則”があった」と回答しました。
具体的に聞いたので、回答の一部を紹介します。
「自身の高校の“ブラック校則”」回答
髪の毛は黒色、スカートは膝下。(20代・女性)
髪の毛が耳にかかってはいけない(40代・男性)
全員女性はショートカットかおかっぱにしなくてはいけない。制服の上着の襟に髪が当たったら校則違反。(40代・女性)
天然パーマもストレートにしないといけない(40代・男性)
外出時は制服・制帽・制靴。頭髪は1センチ以下の短髪。(50代・男性)
決められた防寒具しか着てはいけない。カーディガンを着てはいけない。(40代・女性)
コートの襟を立ててはいけないとか、冬場でもタイツ着用禁止とかいうバカバカしい校則がありました。(50代・女性)
コートやジャケットを冬場でも着用禁止だった。(50代・女性)
なぜかハイソックス禁止で代わりに黒いタイツかベージュのタイツを強要。(60代・女性)
靴下の柄、マークはワンポイントの大きさまで。色も白と黒、紺色のみ。(50代・女性)
男子のズボンはタック禁止でストレートのみという校則で、運動部は腿が入らず泣いていました。(60代・男性)
女子高で、男女交際が禁止だったので、文化祭・体育祭のときは、男兄弟を連れてくるときは前もって許可証を取らなくてはいけなかった。(50代・女性)
父親以外の男性と一緒に歩いてはいけない。(60代・男性)
眉毛、腕毛足毛は卒業するまで剃ってはいけない。(40代・女性)
自転車の切り替え装置が3段まで。髪は短髪。靴下の色が地味な色(赤・黄禁止)。(60代・男性)
まとめ
都立高校で廃止された5つのブラック校則について、廃止に「賛成」と回答した方の割合が多数となったのは「表現があいまいで誤解を招く指導」「下着の色の指定」「頭髪に関する届け出の提出」の3つでした。
「髪を一律に黒くする」という校則の撤廃については意見が分かれ、年代が下がるほど「賛成」と回答した方の割合が多くなりました。
自身が通っていた高校の「ブラック校則」について聞いたところ、服装や頭髪に関するものが多く挙げられました。
ジェンダーレス社会に向けて、制服を廃止する高校や、男女共通の制服を導入する高校もあるようです。
時代の変化に合わせて、校則の見直しも必要かもしれません。
調査概要
調査期間:2022年3月16日~3月22日
集計対象人数:640名(30代以下・40代・50代・60代以上 各年代 男女各80名)
調査対象者:男女
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。
・引用元:日本トレンドリサーチ(https://trend-research.jp/)による調査
https://trend-research.jp/13439/