歳をとるというのは厄介なものですよね。周りからは、年相応に物知りなどと思われたりして…。うっかり漢字の読み方を間違えたりしますと、とっても恥ずかしい思いをする、なんてこともあるかもしれません。

動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。

「脳トレ漢字」第46回目は、「心太」をご紹介します。つるつるとした食感が特徴的な食べ物です。

この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。

■「心太」はなんと読む?

「心太」という漢字、読み方に心当たりはありますか? そのまま読めば「しんた」ですが……

正解は……
「ところてん」です。

『小学館デジタル大辞泉』では、「海藻のテングサを煮て寒天質をこし、型に流し込んで冷やし固めた食品」と説明されています。心太の食べ方には、地方ごとの違いが見られます。関東での最もポピュラーな食べ方は、酢醤油と一緒にいただく方法です。一方、関西では古くから、黒蜜とともに食べることが主流となっています。

その他にも、東北地方では生姜醤油や味噌で、四国ではだし汁やめんつゆで… など、バラエティー豊かな食べ方で親しまれていることがわかります。

■「心太」の漢字の由来とは?

「心太」の漢字の由来を知るためには、その歴史を紐解く必要があります。

平安時代には、「心太」は漢字の通り「こころふと」と呼ばれていました。「心太」という字の意味は、海藻を凝らせて作った食品を「凝海藻(こるもは)」と呼んだことに由来します。「凝海藻(こるもは)」は、「凝る(こごる)」が転じた「心」と、太い海藻を表現する「太」の字を当てて、俗に「心太(こころふと)」と呼ばれていたのです。

その後、室町時代には「こころてい」と読まれるようになりました。それがさらに訛って、「こころてん」→「ところてん」となったと言われています。呼び方は変化しましたが、漢字表記は「心太」が残りました。

■「心天」も「瓊脂」も「ところてん」!?

「ところてん」の一般的な漢字表記は「心太」ですが、他にもいくつか漢字表記があるのでご紹介します。

まずは「心天」です。「太」の代わりに「天」が用いられているのは、「てん」という音読みが共通しているからだと考えられます。

次に「瓊脂」です。これは「心太(こころふと)」以前のところてんの呼び名に当たります。今では「瓊脂」も「ところてん」と読みます。

***

いかがでしたか? 今回の「心太」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 奈良時代から日本人に愛される「心太」、漢字を知るとその歴史の流れを感じさせてくれます。

来週もお楽しみに。

文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/

 

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