同じ食事を食べても、食べる時刻や速度、どんな順番で食べるかによって栄養学的効果が変わってきます。そこで注目されているのが、「何をどれだけ」に加えて、「いつ」、「どのように」食べるのがいいのかを考える「時間栄養学」です。それはダイエットにも結びつきますし、適正な体重を維持することは生活習慣病の予防にも繋がります。
全4回で「時間栄養学」をご紹介するこのシリーズ、2回目のテーマは「昼食」です。
内臓が最も活動的なランチタイム
食べ物を消化する胃は、起床してから徐々に活動が活発になり、お昼頃にピークを迎えます。血糖値を調整する膵臓のはたらきは、お昼頃からだんだんと活発になります。エネルギー代謝に関わる肝臓は、午前中が活動のピーク。夕方には休息時間に入ります。
つまり、昼食の時間帯は胃・膵臓・肝臓のはたらきがそろって活発で、最もエネルギーが消費されやすい時間帯です。午後のエネルギー源となる糖質や脂質、代謝に必要なたんぱく質をしっかりと摂りましょう。また、揚げ物など脂質の多いメニュー、ラーメンやパスタなどの糖質が多いメニューを食べたいときは、夕食に食べるよりも昼食に食べるようにしましょう。
早食いには気をつける
食べる内容だけでなく、食べ方にもポイントがあります。昼食は早く済まそうと、つい早食いをしてしまったり飲み込むように食べたりしてしまいがちですが、よく噛んでゆっくり食べると血糖値の上昇が穏やかになり、満腹感を得られやすく食べ過ぎを防ぎます。
食物繊維の多い野菜やきのこ、海藻類を選ぶと、噛みごたえがあるので、自然と噛む回数が増えますよ。主食の白米を玄米や雑穀米にするのもおすすめです。
うどんやパスタ、丼ものなど単品の食事は早食いになりがちですから、野菜を使った小鉢を1品追加するといいですね。
味の濃いものは控えめに
日中は塩分の排泄を抑えるホルモンが活発に働いているため、味の濃いものを食べると塩分が体に溜まり、むくみや高血圧につながります。
自分で調理して詰めたお弁当や自炊のときは塩分量のコントロールがしやすいですが、外食やコンビニなどのお惣菜やテイクアウトを利用する場合は、塩分量が多くなりがちです。
おかずやサラダなどは味をみてからしょうゆやドレッシングをかける、うどんやラーメンのスープは飲み干さない、減塩調味料を選ぶなど、塩分を摂りすぎないように調整しましょう。
ランチタイムに!満腹レシピ
あさりのトマトパスタ
【材料】(1人分)
スパゲッティ(乾) 70 g
あさり(殻付き1人125g) 50 g
エリンギ 40 g
トマト水煮缶 150 g
にんにく(みじん切り) 旬 2 g
とうがらし 少々
オリーブ油 小さじ3/4 (3 g)
白ワイン 大さじ2/3 (10 g)
塩 0.5 g
砂糖 小さじ1/6 (0.5 g)
粉チーズ 小さじ1 (2 g)
パセリ(みじん切り) 0.5 g
粗挽き黒こしょう 少々
【作り方】
1.あさりは3%の食塩水(分量外)で砂出しする。エリンギは食べやすい大きさに切る。
2.スパゲッティはたっぷりの熱湯で表示の時間より1分短くゆでる。
3.フライパンににんにくと種をとったとうがらし、オリーブ油を入れて弱火にかける。
4.香りがたったらあさりと白ワインを入れて蓋をし、酒蒸しにする。あさりの口が開いたらあさりを一旦取り出す。
5.エリンギ、トマト水煮缶を加え、少し煮詰めて塩、砂糖で味をととのえる。
6.ゆで上がったスパゲッティとあさりを加え、全体を混ぜ合わせてさっと煮る。
7.器に盛りつけ、粉チーズ、パセリ、粗挽き黒こしょうを振る。
【栄養価】
エネルギー 368kcal
たんぱく質 15.1g
脂質 5.6g
炭水化物 62.3g
食物繊維 5.4g
食塩相当量 1.7g
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昼食でしっかりとエネルギーチャージをして、午後からも元気に過ごしましょう。
編集/おいしい健康編集部
監修/おいしい健康管理栄養士
株式会社おいしい健康
「誰もがいつまでも、おいしく食べられるように」という理念のもと、ITを活用したヘルスケア事業や生活メディア事業を展開しています。主なサービスとして、病気の予防・管理、ダイエットなどを目的とした管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービス「おいしい健康」を運営。社内には、サービスの監修や向上にあたる管理栄養士が複数在籍しており、食や健康に関する情報をエビデンスに基づき正確にわかりやすく発信しています。
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