構成・文/山津京子
市内19店舗で艦船・部隊ごとのカレーを食べ比べできる!
佐世保には、ビーフシチューやカレーなど旧海軍由来の洋食を食べられるスポットがありますが、今年5月から佐世保市内では、「させぼ自衛隊グルメ」というイベントが開催されています(来年3月31日まで)。
この催しは、佐世保所属の海上自衛隊、陸上自衛隊、海上保安部で作られているカレーを、市内にある19の飲食店が再現し、提供しているというもの。艦船・部隊ごとのカレーの食べ比べができます。
カレーは帝国海軍時代から作られてきたメニューで、栄養補給とともに、長い航海中に曜日感覚を取り戻すために毎週土曜日に船員たちに出されていました。
その伝統を受け継いで、海上自衛隊と陸上自衛隊では現在も週末となる毎週金曜日にカレーを食べる習慣があります。また、佐世保海上保安部では巡視船の帰港時にカレーを食べることが多いそうです。そのため、それぞれ艦船・部隊ごとに発足当時から受け継がれてきたオリジナルのカレーレシピがあります。
そのレシピを元に各店が譲り受けたカレーを再現。各部隊による厳しい試食会テストを経て、認定を受けた市内の飲食店でそのカレーを提供しているのが「させぼ自衛隊グルメ」なのです。
食べられるメニューは、海上自衛隊が17種類、陸上自衛隊と、海上保安部が各1種類となっています。
来年3月までに佐世保を訪れたなら、この期間限定カレーを食べてみるのもおもしろいでしょう。
バラエティーに富んだ19種類のカレー。ピンバッジもゲットできる可能性あり!
全19種類のカレーは、それぞれ味も盛りつけもさまざまです。
たとえば、ジャンボシュークリームが名物の「蜂の家」では、粉まで艦内で焙煎しているという「護衛艦あさゆき」のカレーを提供しています。
長時間煮込んであり、牛肉や野菜、果物の旨みが溶け込んでいます。
また、「五十鈴うどん」では、陸上自衛隊の「水陸機動団カレー」を提供しています。
水陸機動団のカレーは、エビフライと鶏のから揚げのトッピングがあるのが特徴。皿の中のカレールーを海に、ライスを陸に、エビフライを水陸両用車に見立てて盛り付けています。玉葱をアメ色になるまで炒め、直火焼きしたスパイスでほろ苦い味わいに仕上げてあるそうです。
佐世保海上保安部のカレーは、「ふじ・なが 本店」で提供中。
巡視船ちくごのレシピを元に、玉葱、人参、バナナ、りんご、白桃といった野菜と果物を、赤ワインに漬けた豚肉といっしょにじっくり煮込んだ本格派で、味噌やチョコレートなどが隠し味になっています。
以上のように、「自衛隊グルメ」提供店のカレーは、見た目も味わいもバラエティーに富んでいます。食べたあとは、数量限定ですが、オリジナルのピンバッジももらえるお楽しみもあるんですよ。
旅の思い出に「自衛隊グルメ」を食べてみてはいかがでしょう。
イベントの詳細は、佐世保商工会議所や佐世保観光情報センターなど、市内各所に置かれているパンフレットで確認できます。またインターネットでは以下のサイトで詳細を確認できます。
「佐世保 小値賀 海風の国」
https://www.sasebo99.com/gourmet/jieitai/
写真/松隈直樹(クレジット表記なしのもの)
構成・文/山津京子